『ノスタルジア』の落書き帳

音楽ゲーム『ノスタルジア』に関して考えていることを、ちまちま書いていきます。一応Twitterもあります→@crt14display

KAC出ないんですってね

※この記事は音楽ゲームノスタルジア』シリーズに関する感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

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【プレーガイド・収録楽曲紹介】:ノスしるべ

 

 

ストーリーの解釈が九分九厘のこのブログなので、次回作が出るまで更新はしないんじゃないかと思っていたのですが、既にTwi…じゃなくてX(エーックス!)でもひと騒ぎになっている通り、今回のKAC(Konami Arcade Championship)への不参加が発表されて驚いたので書いています。

初代から参加している機種で、(勝手かも知れませんが)だからこそそれなり以上に人気が出てるんだなと確かめられてもいたのですから、今回の不参加はノスタルジアの将来に影を思わせる、とても不安なお知らせに感じられました。

これについてKonamiに問い合わせて下さったツイートも見かけ(感謝!)、「現時点でサービス終了の予定は無い」との返信だったそうで一安心とも言えるのですが、それが新作準備中を意味しているとも限らないので何とも言えません。

 

さて、一応何かしらの形で毎週動きのあるノスタルジアなのに、何故KAC不参加なのでしょうか?

以下、例によって、何年もノスタルジアしか触れていない一個人の根拠の無い考察です。

 

KACの目的は、参加者のプレーの腕前を競うものであり、音ゲーというものが世に現れてから提示されてきた「こういう譜面も上手くできるかな?」の公式な集大成であると言えます。たびたび出現する「どうしようもないもの」に対して開発陣のやらかしを感じつつも、それを攻略する人が出るのを期待する私たちですから、KACの存在は音ゲーの存在意義を強化する、もはや必要不可欠なイベントなのでしょう。

一方ノスタルジアはと言うと、もちろん超難度な譜面もたくさん出ていますし腕試しの検定も実装されてはいますが、本質的には「上手くできるかどうかを試す」ゲームではないのだろうと思っています。ピアノを演奏している気分になれる・どこかで聞いたあの曲ができる・深みのあるストーリー・それらを補強する楽曲群がノスタルジアの売りであり、思い出してみれば私自身、初代に出会った時から「BEMANIらしからぬ方向性の、ターゲットが狭く深いゲーム」という印象を持っていたものです。とっつき易さは考えられているものの、最終的に一般受けは前提にしてない感じの。(筐体からしBeatStreamの流用という低コスト体質ですし)

 

なので、ノスタルジアが何というか誤解されないために、あえて不参加としたのではないか、という気がしています。思い出してみれば(2回目)、KACへの参加の仕方もノスタルジアは異色を放っていました。いわゆるKACらしい感じだったのはOp.2の頃だけだったのではないでしょうか。

初代で参加した時は、決勝の最終曲が書き下ろし新曲という慣例を破り、それどころか移植曲である「Carezza」が登場しました。

Op.3の時には、過去の合同イベントで約束されていた「ピアノ体操第一」が決勝で登場し、次いでストーリー楽曲の「交響詩『悪魔の誕生』」が本編に先駆けて現れました。Op.3ではもう一度KACに出ていますが、その時も実質ストーリー楽曲の「天使の追放」が登場しています。

これらの何が異質かと言いますと、おそらく他の機種ではKACのために楽曲を書き下ろしたりシステムを整えたりしているわけですが、ノスタルジアはその逆というか。

自身の個性の強化にKACを利用していた、そんな風に感じられるのです。

悪魔や天使をKAC楽曲として見る人は、今やほとんど居ないでしょう。決勝の最終曲になっておきながらそっちが忘れ去られるなんて現象は、ノスタルジアでしか起こっていないはずです。

そう考えると、もしかしたら初代の頃からKACの参加には消極的だったのかも知れません。とはいえ初代から不参加だと伸び盛りのプレーヤー数が打ち止めになってしまう可能性もある。そこで、参加させられつつもノスタルジアらしさを失わない方法を採り、継続していた…そんな想像がふくらみます。

 

なので、不参加は衝撃的ではありましたが、よくよく考えればノスタルジアにとっては何も不自然な事ではないとも考えられます。音ゲーでありながら、その一般的なイメージとは一歩離れた所からマイペースに新しい可能性を提示し続けてきたノスタルジアですから、それならそれで、ファンの一人として生暖かく見つめるのみです。

 

でも続いてね!

新しいストーリー待ってるよ!

レトロフューチャーな雰囲気がいいな!(何

 

そして王国は還る。(Op.3ストーリー完結)

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※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』ストーリーの最終盤に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。

※なお、今までの記事との齟齬や矛盾が現れると思われますが、あくまで「記事が書かれた時点ではそう思っていた」と捉えていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…えー、ノスタルジアOp.3のストーリー。

完結いたしました。

 

前回まで追いかけてきた通り、大事な展開が目白押しだったのは間違いないんですが、急に色々始まったぞと思ったら最後までスポーンと突き抜けてしまったような感じで、ちょっと肩透かし感が残ってます。個人的にですが、4章か5章から毎月更新とかでゆっくりめにやってくれてたら感動もひとしおだったかもしれません。

あとのストーリー自体の感想や考察については、例によってムービーなどを追いながら記していきたいと思います。

 

まずは第11章「一筋の光」。

3人の王としての記憶を取り込んで、いよいよ覚醒した亡国の王。

溢れんばかりの強い光を放ちながら、かつて滅ぼされた王国ごと蘇らせん勢いに、3人は手を取り合って立ち向かいますが…。

 

 

【小さな星のしるべ】

コメント:その旋律に呼応する

解禁楽曲:終曲・改「三儀の凱奏」

楽曲コメント:絆は光となり強く輝く

楽曲名で既にネタバレのようになっていますが、確かに前章で終曲と宣言されていたものを覆すムービーの内容となっていました。

ちなみに作曲者は前章と同じくAkhuta氏で、王の願いが極まるクライマックスと、3人の心が極まるクライマックスを音楽として両方手掛けたことになります。今となってはKONAMIへの置き土産となりましたが、大役、お疲れ様でした。

 

さて、3人は手を結んだまでは良かったものの、その直後に鎧袖一触されたらしく傷を負って膝をついてしまいます。

まあ記憶の力を奪われて、そもそも手ぶらでは抵抗する手段もあったものではないですが、どうにもできない感じが終曲らしくて、王自身も「後は終わらせるだけ」と自信満々なのかもしれません。

 

ともかく、どうすんだコレと思わせる状況の中で。

ただもみの木の頂で光っていた星屑が、その輝きを増していきます。

広がる光の環。よく見ると、黄・赤・青の色それぞれを抱いていました。

そして呼応するように、あの琥珀の夢で分かち合った包み紙も光をまとい。

 

黄色に輝く槍に。

赤色に輝く剣に。

青色に輝く弓矢に。

それぞれ姿を変えたのでした。

 

新たな力を得て、再び立ち上がる3人。

その瞳には、揺るぎない決意が満ちていました。

 

ムービーはそこで終わります。

今では王の使いと判明した鳥たちのように、4章以降何者か分からず動きも無かった星屑が急に大活躍して驚きました。

包み紙も、琥珀の夢が夢で終わらない事を示す証拠品であり、3人の心を結びつけるきっかけとなったものですが、そのために星屑が何か干渉していたのかも知れません。

さて、この星屑。3人に力を与えたということは、王を止める側の存在である事になります。

それが誰なのか、この時点で薄々予想はつくのでしょうが、先に次の最終章を見てみましょう。

 

と、いうか。

凄い個人的な趣味で言うんですが。

 

……青の子に武力を持たせて欲しゅうなかった…。

元々慈愛を受け継いでいる設定で、7章では対話で戦争を止めようと必死になっていたのに、最後は矢を放てと言うのですか…。遠距離武器な所がらしいと言えばらしいのですが、それなら杖とか本とか意思で訴える系でも良かったんじゃないですか…。

 

閑話休題

最終章「白い旋律」に移りましょう。

もちろん3人の勝利に終わりますが、果たしてその結末とは。

 

 

【NOSTALGIA】

コメント:届いた光

解禁楽曲:Audite Nostalgia

楽曲コメント:その旋律は紡がれ受け継がれていく

最終楽曲らしく、タイトルに「Nostalgia」を冠しております。しかしVでは始まらない。さすがに対応する言葉が無かったのか、そこまでこだわる必要が無かったのか。

「Audite」とはラテン語では「聞く」の意味になります。8章以降、今作との強い繋がりが示唆されている初代の方は「Vide」になっており、これは「見る」の意味となっています。「nostos algos」に引き続き、関連性を訴え続けていますね。

これについての考察は後程。

 

さてムービーでは、星屑の輝きの下、文字通りに溶けて崩れ行く王の姿から始まります。経過は描かれていませんが、激戦の末3人が勝利を掴んだのでしょう。

王は元々人影のような姿でしたが、記憶が還る世界という事を踏まえると精神体、つまり意思そのものだったのでしょうか。

油断なく見続ける3人の前で、王はその体を引きずりながらどこかへ進んでいきます。ノイズのように色々な何かが体に映っては消えますが、憶測ながら、かの王国の姿なのかも知れません。自尊・慈愛・正義をもって全身全霊で治めたその国は、王にとって自分自身に等しかったのでしょう。

 

そして、辿り着いたのは、ピアノ。

かつては自身の旋律を奏でていたピアノ。

やがて忘れられても、その奥底で共にあったピアノでした。

敗北を悟り、またしても滅ぼされゆく絶望の中、せめて最期に求めたものは、いつも自分を自分たらしめてくれていた旋律だったのです。

その心を理解したのか、3人は複雑な表情で王を見つめています。

そこに警戒心は最早ありません。

 

しかし、王の願いもむなしく、あと一息の所でその手は崩れ落ち……

る、その寸前。

 

重ねられる、手。

反転するように場を包む、白い光。

枯れた顔を上げると、そこには代わりに旋律を奏でる3人の姿が。

BGMは解禁曲のものだったので何を奏でていたのかは分かりませんが、おそらく3章で得た旋律ではなく、王が求めていたそれなのだと思います。私の考察が基にはなりますが、3人はそれぞれ王の欠片を受け継いでいます。つまり王の心です。激しい復讐を企ててまで求めていたものは、結局の所自身を受け止めてくれる存在、大きく言い換えれば愛であることを3人はここで理解したし、そのための旋律が自然と心に浮かび上がってきたのでしょう。

 

3人を見つめる王から零れる、涙。

自身もまた求めていたものを自覚し、真に心が満たされた瞬間です。

王は純粋な、美しい光に姿が変わり、天へと昇って行きました。やはり王は、元々は愛された名君であったことが伺えます。ちなみにこの光、KACで4章が告知された時の動画に一瞬だけ出てきたものと同じではないでしょうか。

 

その光についていく、小さな光。あの星屑です。

やがて合わさって一つの光となり、シーンは白くフェードアウトして終了します。

 

人としての王の姿と。

 

一匹の黒猫の姿を天に映して。

 

そう、もみの木の頂でずっと光っていた星屑は、おそらくこの黒猫の意思だったのでしょう。以前は各国の猫に分かれたと推測していましたが、どうやら違ったようです。猫の登場はまだかまだかと喚いておりましたが、ずいぶんと前から皆を見てくれていたんですね(3色猫を通して?)。

そして復讐に燃える王を親友として止めようとしていたのでしょう。しかしそれには王に匹敵する力、すなわち3人の王が一つに結ばれる必要があり、王と同様小さな存在でしかいられない中、琥珀の夢という3人が一堂に会するチャンスが訪れた(黒猫にとっても「其の時は来た」のかも知れません)。そこに精一杯の手を差し伸べて、包み紙が夢の後にも残るよう働きかけたのではないでしょうか。

やがて最後に3人は手を取り合い、同じ意志が共鳴したのか、黒猫も力を発揮した…という感じかと。

この辺の友情劇が、またノスタルジアらしさですね!

 

 

 

 

場面は変わって、とある草むら。

BGMは解禁曲のものですが、その後半部分、なんと初代の「I」を模した旋律が流れています。

話を戻して、草むらでは黄猫が遊び、赤猫と合流し、やがて青猫も加わり、3匹でまったりとした時間を過ごしていました。

 

そして、みんなで遠く見つめる向こう側には。

黄・赤・青の3つの王国が一つに合わさったような城の姿がありました。

それは世界の中心に建ち。

そこには変わらず、もみの木と、袂のピアノ。

 

今日も旋律を奏でる誰か。

キャンディの差し入れが届いたりして。

決して独りではありません。

 

最後に。

3つ並んだ王座と、それぞれに座る、黄・赤・青の王。

猫も一緒だよ!

世界は今や一つの国として、共同で治められているのでしょう。

3つの王国に別れていた世界ですが、今回の出来事を通して本当は1つの国としてまとまっていなければならないと3人は悟ったのだと思われます。

しかし一人の王を立ててしまうと同じ事が繰り返されるかも知れない。しかも王から外された場合に自分の心がどう動くのか、特にまほろばの噂を通した経験から3人はそれぞれ懸念を持っていて、共同統治の道を選んだのではないでしょうか。

 

王国は本来の姿に還りました。いえ、むしろ一歩進んだとも言えます。

今度こそ、世界は平和の内にその歴史を歩んでいくことでしょう。

もみの木の袂で今も旋律を奏でるのは、かつてそれが実現されていたことを忘れない決意のようでもあります。

 

 

 

そんな物語が記された本が、閉じられました。

めでたしめでたしと告げるように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、それを読んでいた、少女と黒猫でした。

【fin.】

 

 

 

 

 

 

 

うおおーーーーーーーい!!!

 

あ、ここまで来て伏せる意味もないので言いますが、少女と黒猫っていうのは初代ストーリーのShiroとCroitのことです。その辺の繋がりは初代ストーリーを見終わっていないとピンとこないかも知れません。

 

なので、隙間稼ぎも兼ねて、まずはOp.3のストーリー自体の感想などを書き連ねていきたいと思います。

まず、公式ではずっと「物語」と言われていて、なんでわざわざ別の言い方をするんだろうと、こっちではストーリーと言い張り続けていましたが。

 

ホントに物語を読んでたって話なんじゃねえか!

画面の背景が幕と舞台で出来ていたり、プレー終了のたびに「次の演目でお会いしましょう」と言われたりしていたのも、ホントに物語を演じていたからなんですね…。私たちはずっと、劇中劇を見ていたのでしょうか。でもそれが分かるのは最後なので、実際今までのようにストーリーを追っていたと思っていいでしょう。

 

そのストーリーですが、種明かしが成されれば、王道と言えば王道な筋道だったのではと思います。

世界に存在する国々が、隠された歴史を追えば実は一つであったこと。

今の王たちは、一つの王国を治めていた者の関係者であったこと。

王の無念が暴走するように、互いに対立し合うこと。

しかし一つにまとまる事が最善であると悟り、新たな歩みが始まる結末。

 

これをノスタルジアらしく演出していたのが、Op.3ストーリーなのでしょう。

特に鳥の存在は印象的で、ムービーに出ないどころか3人を導くでもないのに、何でこんなに自己主張してくるんだとずっと謎でしたから、最後にどんと正体が明かされた時の衝撃は凄かったです。4章で悪魔の存在が明かされた時に「この悪魔の使いかな」とか予想した人っているんでしょうか。

この「そっち側やったんかーい!」みたいな驚きは実は過去作にも共通していて、初代のCroitの帽子だとか(無い方が良かったんかーい!)、Op.2で最果ての研究所が登場した時(夢やったんかーい!)がそうでした。

 

一方で、劇中劇という設定が肩透かしというか残念さに繋がりました。

3人が過ごしてきた世界が一体どのようなものなのか?終盤で現れた郷夢の世界とどのような繋がりにあるのか?それによって過去作とどのように関連しているのか?色々と考えさせられたものですが、本の中だけの別世界と判明した時は、ちょっとがっくり来ました。郷夢の世界自体は実際に存在しているものを物語を通してShiroに知らせたのかなと思えますが、王国そして3人の王については、物語以前も物語以後も無いわけで、そりゃまあ過去作も同様なんですが、どこかリアリティを取り上げられた感じがしています。特にOp.2の皆さんは、あれからどうしてるのかなとか想像が膨らんで楽しかったものですが…。

 

それに、システムBGMが初代に切り替わったことも、世界同士の繋がりへの期待を増した要因でした。ともすればShiroやNoahが出てくるのではないかとウキウキしたのは私だけではないはず!…はず…。

ともかく最後の一コマが無ければ関連性が全く不明なままで終わっていたのも危なっかしいし、それも初代ストーリーを知っていてこその話なので、Op.3の要素にしか触れてない人に対しては、他の人から教えてあげないと分からないんじゃないでしょうか。

 

楽曲繋がりで言えば、今回は全体を貫く主題となる旋律が見当たらないんですよね。初代は「I」や「nostos」、Op.2は「minne」と、要所で登場してストーリーとの深い繋がりを感じさせる旋律がはっきり示されていたんですが、今回はそれが感じられませんでした。「phantasmagoria」や「viator in vitro」のようなシステムBGMを世界観に絡めてくる楽曲も無かったし、執着する必要は無いんだろうけどどうしても期待していただけにちょっと残念でした。

 

で、初代との繋がりについてですが、その舞台となる郷夢の世界の存在をShiroが知るきっかけとなった物語がOp.3である、ということになります。ある意味で初代のエピソードゼロと言えるでしょう。エンディングとして「I」の旋律が流れていますが、ShiroとCroitが幼少期を共にしていた時期(つまり「I」が解禁されるChapter1)に触れた物語である事を示しているのではないでしょうか。

ちなみに既にCroitが一緒にいるので、Noahはほったらかしの真っ最中です。共有はされてるんですが、怖いですね。

このNoahが、Shiroが姿を消した(おそらく亡くなった?)後で実際に郷夢の世界に行き、やがて来たCroitを独り占めしようとします。大雑把ですが、記憶の力で自身をShiroと誤認させて誘導しており、王の姿勢に通じるものがあります。物語を思い出して、自分も同じようにできると思ったのでしょうか。

そしてShiroとの再会と対立、しかしCroitからの説得によって心が満たされ、安らぎの内に郷夢の世界に溶け合っていきます。この辺りの流れはまさにOp.3のエンディングと共通しているのですが、Shiroがそのように望んだと言うよりも、ShiroとCroitが真実に気づいてNoahにどう接しようかと悩んだ時に、この物語を思い出したのだと思います。結果が同じようになったのは、別に狙ってはいなかったでしょう。

 

とまあ色々考察できる事はありますが、初代との繋がりを語ることがOp.3のメッセージではないでしょう。BGMまで変えてきましたが、知ってる人は喜ぶし、知らない人にも衝撃的だし、初代の知識を前提にはしていない内容だと思います。

では、Op.3ストーリーのメッセージは何だったのかを最後に考えてみたいと思いますが。

 

やはり「絆の力」でしょうか。

ノスタルジアでは共通して記憶とそれを表す旋律が主題となっていますが、

・初代では「一番大切なものは記憶の奥底にこそある」

・Op.2では「記憶から来る力は時に死をも乗り越える強さがある」

だと私は思っています。となるとOp.3は、

・「記憶は深く共有してこそ力になる」

といった所でしょうか。王は裏切りによって突如追いやられた孤独により、悲しみの記憶を共有する相手を見失ってしまいました。そのまま復讐に取りつかれ、すぐそこにいたはずの親友の意思にも気付けなかったようです。

逆に3人は孤独に追いやられる事があっても、猫だけはそばにいました。あらゆる記憶を共有できたでしょう。そして3人同士もやがて記憶を共有する仲になります。それは王を慰める愛にすら変わりました。

どんなに素晴らしい記憶も、独り占めではどこか淋しいもの。まして悲しい記憶を一人で背負っていては遠からず振り回されます。トラウマというのも、そういう事なのでしょうか。

物語を読み終えたShiroとCroitも、「私たちは出会えて良かった」と、「これから何でも分かち合おう」と約束したのかも知れません。それからChapter2に移ったのかなと想像してみると、またなんか、キュンとしますね。

陰からNoahが見つめていますが。

 

 

さて、全体的なことも話していると随分な長さになってしまいました。

最後までお付き合い下さり、ありがとうございました!

また何か考察を思いついたら記事にするかも知れませんが、ひとまずここまで。

 

ではまた、いつか!

 

王は慰められぬ。

※この記事は音楽ゲームノスタルジア』シリーズに関する感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

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※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』のストーリー第10章「晦冥」に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。

※なお、今までの記事との齟齬や矛盾が現れると思われますが、あくまで「記事が書かれた時点ではそう思っていた」と捉えていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やはり来ました、連続更新。

第9章にてエピソードゼロが語られたことで、Op.3の舞台に潜んでいたものが明らかにされていっています。

 

世界の中心に隠されていた、全ての記憶が還る場所。

その底に沈む、今は人の世から忘れ去られた、1つの国。

かつて治めていた王の存在と、その悲しき終末。

 

しかし、王の心はその鼓動を止めてはいませんでした。

今は3つとなった王国のそれぞれに、自身の欠片を送り込んだのです。

次の王となる者たちに、ひとつずつ。

自らに代わって世界を見つめる鳥たちに託して。

 

そして王は、ただ待ちました。

王が求めるものを、あの3人が十分に得られるまで。

暗闇に耐えて、永遠にも思える静謐を受け入れながら、土の中で芽を出す時を待つ種のように。

 

どのくらいの年月が経ったのでしょうか。

しかし王にとっては今更同じことかもしれません。

あの3人が王となり、閑やかなる日々の内に、王としての記憶を十全に育んでいたのです。

自尊・慈愛・正義。

かつて自身の内に満ちていた力と共に。

 

これこそが、求めていたもの。この手に取り戻すべきもの。

”其の時”は来たのです。

 

 

……とか、そんな流れでしょうか。ストーリーの前半部分が、実は他の誰かの視点も含まれている、という展開はまさに初代のそれですね。

これに対して使い回しという批判ではなく、吉本新喜劇のような「既に知っているが期待していたもの」として受け取っているのは、だからこそノスタルジアノスタルジアとして輝く要素だからなのでしょうか。

 

あと、今回考えてて思いついたのが3人の出自についてで、2章のムービーでは赤子の状態で鳥に運ばれてきた彼らを歓迎する描写がされてはいましたが、追放した亡国から来た者を、たとえ忘れ去られていたとは言え歓迎するものだろうかと、途中から疑問だったんですね。何か偽の伝承が残されていたのかと(そしてそれも王の策略かと)以前まで思っていたのですが。

子どもが生まれる仕組みを「コウノトリが連れてきてくれる」という幼児向けの言い方をふと思い出しまして、それを盛り込んでいるんじゃないかと思いついたんですね。

つまり3人はそれぞれの国で普通に生まれてて、そこに亡国の王が自分の欠片を鳥に運ばせ潜ませたのではないかと考えたわけです。だから1章では鳥たちが光をくわえているし、2章ではコウノトリでもいい所をそれぞれの鳥が運んできた描写になっている、と。

 

となると、前回言っていた「自分の欠片を赤子として送り出した」という話が丸々ボツになってしまうのですが、まあ今回の解釈の方が、3人がそれぞれ辛い日々を過ごしたりまほろばの噂に振り回されたりするのも、王の一部ではない領域での話になるので辻褄は合ってくるんですよね。

そうなると、前章で王が3人を歓迎するようなポーズを見せたのは、「ご苦労だったな、運び屋」みたいな皮肉を込めた挨拶だったのでしょうか。余計タチ悪いな…。

 

という今更な話もしてたら、前置きが伸び伸びになってしまいました。

では改めて、念願叶って3人から王たる記憶を集めることに成功した所から。

 

第10章「晦冥」です。

暗転のような意味を持つ言葉だそうですが、見た目の内側の暗黒が際立つ内容であったと思います。

 

 

【渇求】

コメント:待ち望んだ時

解禁楽曲:終曲「黒の狂」

楽曲コメント:荒々しく脈打つ黒い鼓動

かつきゅう、と読むのでしょうか?もはや地名ではなく王の心の中ですね。

マップ画面の方も、最早もみの木の袂ではなく、モノクロ反転して中心が歪んだ例の壁画になっています。

が、よく見るとこれは「天使の追放」のイラストの上半分になっています。実際、解禁曲のイラストもこれに10章の要素をかぶせた形になっており、やはり王は追放された天使の側であることが確信できるかと思います。

…これ、検定での解禁に気づいてない人からすると、ますます何のこっちゃになるんじゃないでしょうか。知らない人がいたら教えてあげよう!

 

さてムービーでは、渇求の文字通り長らく待ち望んでいた記憶を遂に手に入れた王が、ノイズ混じりの頼りない姿から一転、眩いばかりの光に満たされていきました。王冠の部分はまるで天使の翼のように広がっていて、さらに力が溢れんばかりです。

 

そして背景には、天使の追放のイラスト。

 

今、地上で人生を謳歌している人々に対して「お前達が追い落とし、記憶の底に消し去ったのが何者であるか、思い出させてくれよう」という強烈な復讐心が伝わってくるようです。

そして解禁曲の名前は「黒の狂」。狂の字は獣と王を組み合わせて出来ています。復讐という黒い感情に支配されて、まさに獣のごとく力を振り回そうとしているのでしょう。

前回の考察では「在りし日の姿を取り戻したいのでは」と書きましたが、ともすると3つの王国を滅ぼし、かつての王国を蘇らせるつもりなのかもしれません。もしかすると、王に呼応して色々な存在が続々と復活してくる可能性もあります。

 

いずれにせよ、このままでは世界の危機が訪れる。

同じように直感したのか、3人は立ち上がり、手を取り合って、共に戦うことを約束するのでした。

 

 

ムービーとしては以上です。なんだか短めでしたね。

個人的には記憶を奪われたりしたら廃人同様になっちゃうんじゃないかとハラハラしてたんですが、そんな事もないようでホッとしています。でも、ノスタルジアにとって記憶は心、人生と等しいものなので、奪われている=死に追いやられている=郷夢の底から戻れない、という状態なのかも知れません。

 

自分たちのためにも、力を合わせて頑張れ!

たぶん、またすぐ第11章だ!

というか猫はどうした!

お楽しみに!

 

 

 

といった所で、後は余談のようなものです。

 

まず、今回の解禁画面なのですが、王冠を抱いた三日月が雲に覆われた星屑(もみの木のてっぺんと思われます)を見つめているような場面が描かれていました。

憶えている方も多いと思いますが、この三日月は初登場ではなく、1章の解禁画面で出てきていたもので、当時は王冠は無く、また完全に雲に覆われていたと思います。それが今回で雲が少し晴れていて、その向こうにもみの木があるということは、王は初めから袂にいたのではなく、さらに後ろにいた=完全な暗闇に押し込められる程に弱っていた、という想像もできるのではないかと。

そして何故雲が晴れたのかと言うと、考えられるスイッチは、王が求めていたものを3人が手にした事でしょう。欠片と言えども王の一部、つまり3人が王らしくなればなる程、その力は欠片にも反映されて、王の回復を促したのだと思われます。

そのような関係性があるのだとすれば、4章で3人が集められた夢の中は、王がようやくもみの木を認識できた状態に、それぞれの欠片が共鳴したものと捉えることもできます。しかしその夢によって3人が結束するきっかけを与えてしまっているという矛盾はあるのですが…。

 

もう一つ、今回の楽曲の作曲者は、なんと昨年KONAMIを退職したAkhuta氏であり、驚いた人も多いようです。

つまりこの楽曲は退職以前から用意されていたものであり、ノスタルジアのストーリーがいかに予め練りこまれたものであるかを思い知らされる出来事となりました。

もしかすると、Op.3が始まる前から全ては整っていたのかも知れません。むしろ、初代もOp.2も、そのように準備しきってからリリースされていたのではないでしょうか。

 

色々な側面で考えさせられる事が多いですね。

ノスタルジア、楽しくて楽しみなゲームです!

 

 

王を悼む。

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※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』のストーリー第9章「孤独な世界」に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。今回は結構なものです。

※なお、今までの記事との齟齬や矛盾が現れると思われますが、あくまで「記事が書かれた時点ではそう思っていた」と捉えていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノスタルジア恒例。

クライマックスを告げる「すべての始まり」!

初代、Op.2と共に、それまでの歩みが何処に繋がるものだったのか、またストーリー全体を包む世界そのものの成り立ちを明かすカタルシスの瞬間が、Op.3にもやってまいりました!

 

第9章「孤独な世界」です。

 

全ての記憶が還る場所、初代のそれと同一の空間と思しき「NOSTALGIA」(郷夢の世界)で、もみの木の下、ピアノの横に佇む、王のような姿の人影。

まほろばの噂を広め、3人を呼び寄せ混乱を引き起こしたであろう張本人が何者で、一体何を目的としていたのかに触れる章となっております。

 

 

 

【記憶の底に沈んだ国】

コメント:託された願い

解禁楽曲:「Ave」

楽曲コメント:あの日から一筋の夢を見続けた

既に色々把握できるようなフレーズが並んでおりますが、ムービーの流れを追っていきたいと思います。

 

前章では、佇む人影を3人が警戒して睨む場面で終わっていましたが、今回最初に出てくるのは、なんと。

ローディング画面やストーリー曲のイラストで何度となく姿を見せていた、フクロウ、つばめ、白鳥でした。

 

人影の横、ピアノの上に、ふわりと降り立ちます。

迷いなく。まるで元々そこに居たかのように。

 

つまり、初めから”そっち側”の存在として、3人が誕生して王となり、ここに辿り着くまでの歩みをずっと見守っていたのでしょう。

いや、今となっては、見張っていたと言い換えても良いかも知れません。

これだけでも色々衝撃が湧き上がってくるのですが、続きがあるので後にした方がよいでしょう。

 

次いで、これまた見慣れた解禁画面の窓が現れ、ある物語が始まりました。

窓の上部には「Cahpter 0」の文字が。

初代におけるNoahの過去、Op.2における白猫の過去と同様、ストーリーが始まるきっかけとなった序章です。

 

大きく壮麗な城。

そこに住む、偉大な風格をまとう、王。

それは、ある王国の物語。

 

誇りをもって国を治めているような佇まい。

王のそばには、いつもピアノがありました。

王には、親友と呼べる猫がいました。

王はいつも旋律を奏で、そこには旋律を共にする親友の姿もありました。

 

場面は変わり、城が焼け崩れていきます。

王がよろめきながらピアノに向かいます。そこに親友の姿はありません。

床に滴り、溜まっていく、血。おそらく王の。

やがて、ピアノにもたれかかった王は、そのまま動かなくなりました。

 

そして、何も、誰も残らなくなった大地。

いえ。

小さくはありますが、そこからは黒い霧が吹き出しています。

 

同じ場所から、3羽の鳥が飛び立ちました。

それぞれが、赤子を連れて。

 

 

前章の考察でこの人影(もはや王ですね)について、憎しみと愛がせめぎ合っている状態ではないかと書きましたが、こうして蓋が開いてみると、憎しみしかないような感じになっておりますですね。

ムービーでは城が焼け崩れる様子しか描かれていませんが、今までの色々を振り返ってみると、おそらく謂れのない裏切りに遭っています。

 

まず、同じ場面で血が滴る描写がありましたが、自然災害による崩壊であれば、わざわざ血を強調したりはしないでしょう。人の手に掛けられたと思われます。

続いて、この場面のタイトル「記憶の底に沈んだ国」。全ての記憶が還る場所であるここ「郷夢の世界」は、初代では仄めかす程度でしたがOp.2では死者の集まる(ゆえに記憶が還る)場所である事が示されていました。この時点でやはり王は殺されたと推測できますし、底に沈んだと書かれているという事は、人の生きる世界では遠く忘れられているであろう事、またそれを人に強く望まれたという事かと思われます。

更に言えば、KACで初めて「悪魔の誕生」が演奏された時の「悪魔は再び眠りについた」というメッセージもまた、この王が忘れ去られるべき存在だったと示すものとなるでしょう。

 

ここまででは、王が実は悪政を敷いていて革命を起こされた可能性が残りますが、それを否定する材料もまた存在しています。

一つには「天使の追放」の存在があります。作曲者によりエピソードゼロとツイートされ、曲自体の紹介文は「嘗てそれは、光であった」。この王はストレートに光と譬えられるような政治を行い、天使とまで呼ばれ賛美された名君だったのでしょう。

もう一つ、こちらの方が重要でしょうが、それこそ私たちがずっと見守ってきた3人の存在です。第1章の「未開の大地」で生まれた3人がこの王に由来していることは、今や疑う余地もないでしょう。そして、その3人がぞれぞれの国で王になるにあたっては、「受け継がれる自尊」「受け継がれる慈愛」「受け継がれる正義」とのコメントが記されています(第2章)。当時は誰から受け継いだのかと疑問でしたが、今では一人の王が持っていた心だったと言えます。己の価値観を揺るがされぬ自尊、全ての人をあまねく労わる慈愛、その為の力を正しく用いる正義によって、この王は一つの大きな国を平和の内に治めていたに違いありません。

 

しかし今は滅び、世界には3つの王国があります。この国の一部でも自分のものとしたい人々が結託し、分割する契約のもと王に反旗を翻したのでしょうか。そしてそこには王の落ち度など何も無かったのでしょう。強いて言えば、その人格ゆえに部下を信じすぎていたのかも知れません。

 

いずれにしても、王は謂れもなく裏切られ、理不尽に殺され、そして初めから何も無かったかのように徹底して痕跡を消されてしまったのでしょう。

その悲しみ、憤り、何より喪失感は常軌を逸していても無理のない事です。

 

それは、郷夢の世界の奥底から干渉できるほどに強力で、またそこから王は未だ何も諦めていない事実も伺えます。

だからこそ、Op.3のストーリーが始まったのです。

 

では、王はその執念をもって何を成そうとしているのでしょうか?「託された願い」とは何でしょうか?

ずいぶん長く話してしまいましたが、ムービーには続きがあります。

 

鳥たちを迎え入れた王は、警戒する3人に向かって両腕を広げ、歓迎の姿勢を見せました。少し傾いて見える気がしますが、警戒を解くためにおどけているのでしょうか。

それでも王に由来する故にその心を感じ取っているのか、3人は警戒を解きません。

このまま膠着するのかと思いきや、突如3人が頭を抱えて苦しみ始めます。

 

そして、それぞれから浮かび上がる、様々な場面。

そう、ストーリーを通して積み重ねてきた、彼らの記憶です。

それらは持ち主を離れ、王の方へと漂っていくのでした。

まるで引き寄せられるように。

3人が必死に追いかけようとする所で、ムービーは終わります。

 

浮かび上がった記憶の数が多くて全てを確認はできなかったのですが、印象に残っているのは、第3章「閑やかなる日々」の場面が含まれていたことでした。第4章の夢の中で3人が仲良くなるきっかけとなった、それぞれの旋律を見つけた時の記憶です。

ノスタルジアのストーリーにおいて、記憶は旋律という形で表されます。それらは常に、主人公たちを支え、突き動かし、本当に求めていたものへと辿り着かせる原動力となっていました。

もし、王の目的が3人の旋律を取り込むことだとしたら、それによって在りし日の自分を取り戻したいのかも知れません。しかし、郷夢の奥底に沈められている状況では、自分の欠片を、しかし人の世では何も知らない赤子の状態で送り出し、成り行きを見守るのが精一杯だったのでしょう。

果たして期待通りに、3人はそれぞれの自尊・慈愛・正義を支える旋律を見出して戻ってきてくれました(自尊の方は少々行き過ぎていた気もしますが)。

しかし今は、それぞれが人として育っています。単なる王の一部分ではなく、確かな自我と人生を背負っています。その記憶を奪い取ってしまうのは、在りし日の姿を取り戻せたとしても、天使とまで呼ばれたであろう王として相応しいものではないでしょう。

 

ストーリーは、まだまだこれからす。

多くの人に言われていますが、本当に3月1日(サントラ発売)までに完結するのか?

 

 

とは言え、落としどころの希望が現時点でも無いことはないと思います。

今回語られた序章にて、最終的に姿を消した王の親友。

そう、猫です。

3人のそれぞれにも、黄猫・青猫・赤猫がいて、喜怒哀楽を共にしてくれたり、大事なことを思い出させてくれたりしていました。

そして序章を見る限り、猫たちが3つの王国に派遣される様子は描かれていません。

と、いうことは。

猫は王とは別の動きをしていて、しかし同じく自身の欠片を送り出し、王を支えようとしていたのかも知れません。

この先、王の過ちを止めるために出てくるんじゃないでしょうか!

むしろ、出てきてほしい!初代でもOp.2でも、共に歩み希望を指し示したのは猫でしたが、Op.3でもそうしてほしい!

それでこそノスタルジアじゃあないですか!

 

続きはいつだ!

やはり来週か?だとして追いつけるのか?

分かりません!

ここまでご覧いただき、ありがとうございました!

 

 

ちなみに。

この説でいくと、3人が各国に入る前から猫たちが居ることについて(第1章)、単に先回りしたとも考えられますが、先述したKACでの「再び眠りについた」という一文から、王の試みは既に複数回行われていて、その長い試行錯誤を猫たちはずっと見守っていたのかも…と考えると、それはそれで面白いなぁ、と。それだけです。

 

ちなみにちなみに。

解禁曲の「Ave」ですが、言葉の意味を調べられていたツイートを複数見かけまして。

ポルトガル語で「鳥」

ラテン語で「歓迎を意味する挨拶」

なんだそうです。ああ、どっちでも受け取れるなぁ。すごいチョイス!

 

ちなみにちなみにちなみに。

第3章で青の王の場面だけ、王宮ではなく「古びた教会」と表示されていて、これが誤りではないかと多くの指摘があったと思いますが、まあ私もそう思っていたのですが、過去のムービーをYoutubeの生放送アーカイブで見直してみた所(有難い時代!)、青の国のピアノの場所って教会の中なんですよね(第1章で青猫が教会の中、ピアノの上で座っている場面が映っていたと思います)。

で、第3章はピアノと猫を通してそれぞれが受け継いだ自尊・慈愛・正義が表現されるので、やっぱり「古びた教会」で正解なんだと今は思います。第2章から青の子は孤独に耐えかねて教会に逃げ込んでいたんですね。

うん。分かりにくいよ…。

 

以上です。

 

そして、流れ着く場所。

※この記事は音楽ゲームノスタルジア』シリーズに関する感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

【更新情報・システム内容】:BEMANI wiki 2nd

【プレーガイド・収録楽曲紹介】:ノスしるべ

 

※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』のストーリー第8章「還る場所」に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。今回は結構なものです。

※なお、今までの記事との齟齬や矛盾が現れると思われますが、あくまで「記事が書かれた時点ではそう思っていた」と捉えていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……どういうことだ。どういうことなんだ!

 

 

あ、すみません。

ノスタルジアOp.3ストーリー、第8章を見てきた率直な感想でございます。来週にずれ込むかとも思いましたが、意外に早く目の当たりにできました。

遂に、世界の中心「NOSTALGIA」に真に存在するものが顔を出したわけですが、それは驚きと謎を呼ぶ展開となっておりました。

ともかく、ムービーの推移などを順に見ながら、感想やら考察やら並べていきたいと思います。

 

とその前に、前章の振り返りから。

黒い霧に包まれ、数多の星屑に囲まれ、物言わぬもみの木が佇む「NOSTALGIA」で衝突してしまった3つの王国。噂の財宝への渇望が行き過ぎたのか、競合と見なした他者を武力で排除しに掛かった黄の女王でしたが、赤と青の王が協力し合って(青の方は慈愛ゆえに不本意そうでしたが)押し返しました。

しかし、そのまま矛先が女王を捉えそうになってしまった所でムービーは終わります。心臓に悪い。

 

では、第8章です。同じ場所で2つあるので、前章と同じくこちらで番号を付けています。

 

【もみの木の袂】①

コメント:奇しき巡り合わせ

解禁楽曲:「nostos algos」

楽曲コメント:そしてすべての記憶が還る場所へ

曲名。

いや、曲名!

まあそれは後にしましょう。

 

さて、やはり矛先は女王を貫くのか!?

まさに「あわや」と言える状況、瞬間の中で。

突如、彼女の足元から何かが飛び出します。

 

それは、影で作り出されたような、大きな両手。

驚きも束の間、彼女を助けに飛び込んだ黄猫もろとも地面に吞み込まれてしまいました。

この時のBGMが「悪魔の誕生」じみていたので、もしや悪魔側の心境と言える彼女を悪魔が助けだしたのか!?

 

と思っていたら、あとの二人も同じように引きずり込まれたのでした。

どないやねん。

 

取り残される、従者の人々。

動かなくなった影を、固唾を飲んで見ているしかない様子です。

3人はどこへ連れ去られてしまったのでしょうか?

 

 

そこは、闇の中。頼りない緑の光が、どうにか周囲を包んでいます。

そして、輝く星屑を頂く、もみの木の姿がありました。

そう、【もみの木の袂】。今しがた見てきたそれよりも、あの時の夢の姿により近いものでした。というか、おそらくそのものでしょう。楽曲解禁画面のイラストでも、第4章のあれに色彩が入ったものでした。

 

根元では、あの3人が尻もちをついた姿勢で痛がっていました。どうやら途中でフリーフォールしたようです。扱いが雑だなぁ。

しかし、落下の衝撃か、それぞれの顔を隠していた装備も外れており、お互いの素顔を確認することができるようになっていたのでした。

 

夢で見た顔。

夢で見た場所。

そして、誰からともなく差し出し合う、夢の中で交換した物。

実は既に出会い、心を交わし合った仲であった事実に驚いている所でムービーは終わります。

 

…いやいや。

じゃあ、どう見ても悪魔じみていた、あの影の手は何だったんだ。

この結果を見てみると、3人をちゃんと出会わせるために動いたとしか思えません。

悪魔のような姿で、一体何者なのか…?

 

これについて考えるヒントとして、解禁曲のタイトルがあると思います。

「nostos algos」。

プレー歴の長い人は、すぐにピンと来たでしょう。初代ノスタルジアのストーリー曲として収録され、当時ノスタルジアの看板曲ともアピールされた「nostos」を思い出させる曲名です。初代ストーリーの舞台となる世界「すべての記憶が還る場所」(郷夢の世界とも言われていました)を表現すると共に、そこで待つ出来事を予感させるものでもありました。

今回解禁された方も、実際nostosをアレンジしたような形になっており、この場所が初代の世界との繋がりをアピールしているように思えます。

 

その初代ストーリーですが、見失った人を求めて郷夢の世界に来た主人公(黒猫でした)が、旅の終わり際に影のような姿をした何者かに引きずり込まれる出来事がありました。その先は同じく、闇に包まれた頼りない空間でした。

しかし、闇の中でそれまで見出せなかった記憶を見つけ、影の正体こそが求めていた人であったことが判明したのです。

 

そういう経緯のある初代との繋がりを楽曲をもって示してくる以上、3人を連れ去った影の手も、3人にとって大切な、なくてはならない存在によるものではないでしょうか。

 

この先を考えるにあたっては、ストーリーの続きを見てみましょう。

第8章は、もう一場面あります。

 

 

 

【もみの木の袂】②

コメント:目覚めの時

解禁対象:「交響詩『悪魔の誕生』」のReal譜面

無事にお互いを認識できた3人。

なんだお前らだったのかよー、みたいな安心感が漂っています。

この後、戦争の整理をしないとでしょうけど、まあ協力して頑張ってください。

 

と、そこに人影が。

まだおぼろげな半身しか映っていませんが、それは白いシルエット。

白…郷夢の世界……。

 

もしやNoah(初代のヒロイン)がここで登場!?

 

ではありませんでした。

3人が気づいて警戒しながらそちらを見ると、そこに居たのは。

裾の長い服を着ているように見える、しかし具体的な姿は無く、ノイズ混じりの白い人影。

頭上には王冠を着けているように見えますが、ピアノの横で、怪しげに、しかし儚げに、それは立っていました。

 

ムービー自体はここで終わりです。

そして解禁される、悪魔の誕生のReal譜面。

おそらくは黒い霧を出して「NOSTALGIA」を包み込んだ、そしてまほろばの噂を広めて3つの王国の心をかき乱した元凶なのでしょう。

しかし、他の人物の存在が示されていない現在、先ほど触れた影の手をもって3人を出会わせたのも、この人になってきます。自分で争いを引き起こさせながら、自分で解決する方向へと導いていることになり、まるで矛盾しています。

先ほど3人にとって大切な存在とは書きましたが、一体何が起こっているのでしょうか?

 

ここからは本当に個人的な推測になりますが、二重人格というか、3人を敵視する感情と愛する感情が同居していて、敵視する方が主導権を握っているような状態だと思います。王冠を着けているあたり、もともと世界を治めていた唯一の王であったが裏切られて郷夢の世界に追放されたとか、そんな経緯がありそうです(それって殺されていてもおかしくないのですが)。そして世界を憎みながらも残った愛情の方がどうにか抵抗して、琥珀の夢を見せたり影の手を一瞬だけ動かしてここまで呼び込んだり。

また、楽曲「Keter」のイラストで3人の物語を覆う王冠のシルエットが描かれている所を思い出すと、やはり直接深い繋がりのある人物だと思います。ともすると第1章で3人が生まれるきっかけとなった、親に当たるのかも知れません。

 

そして一連の出来事を通して何を目的としているのかも気になりますが……それはまさにこれから表現されていくでしょうから、素直に待ちたいと思います。ピアノのそばに立っていたり、システムBGMが初代と入れ替わるあたり、取り戻したい何かがあるんだとは思いますが。

 

そう!

すごい今更になりましたが!

【もみの木の袂】①のムービーの後から、システムBGMが初代と入れ替わります!さらに背景画像の基本色も緑色になります!

(この手の演出は初代(背景色のみ)およびOp.2にもありました。やっぱ根元は一緒なんですね!)

さっきは「思えます」とか言ったけど、やはりこれはもう初代の郷夢の世界と全く同じ場所と見ていいでしょう!

 

だから何なんだ!どういうことなんだ!

驚いたし何だか嬉しいけど、結局まるで意味が分からんぞ!

 

次はいつ更新される!

ホントにサントラ発売までに完結するんだろうな!

 

楽しみしかありませんぞ!

ご視聴ありがとうございました!

 

雪で、動けねえ……。

※この記事は音楽ゲームノスタルジア』シリーズに関する感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

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※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』のストーリーに関する話をしており、ネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて。

前日の発表から気になっている、Op.3ストーリー第8章でございますが。

 

Twitterなんかをチラチラ見ていると、ずいぶんなクライマックス感がありそうなんですが、こちらは今も大雪の影響というか後遺症でゲーセンに行けない状態が続いています。長引かないといいのですが…。

時間がかかるようならプレー動画とか探してムービーだけ拝見しようかとか思いますけれども、せっかくなので世界の中心「NOSTALGIA」がストーリー前半においてどんな様子だったのかを想像しながら時間を稼いでみましょう。

(既に8章まで見て色々分かった方は、ニヤニヤしながらご覧ください)

 

6章で実際に接近するまで「???」となっていた場所でありますが、登場する章にはそれぞれコメントが割り振られていました。

・1章:未開の大地

・3章:静寂に包まれている

・4章:黒霧があたりを包んでいる

・5章:それぞれの思いを胸に目指す先

・6章:辿り着いた果ての先には

 

5章は文字通りに受け取れますし、6章については7,8章で実際に見られるので深く考えることはないでしょう。

しかし、6章にてどんな場所なのかは明かされました。たくさんの星屑に包まれた、Op.3そのものの背景画像と同じ空間です。中央に物言わぬもみの木が佇んではいますが。

ということは、1~4章においてもそれは同じだったということになります。

更に言えば、1章のムービーで赤子だった3人のいた場所が、この「NOSTALGIA」になるのです。更にさかのぼれば、KAC決勝で初めて明かされ、楽曲「悪魔の誕生」を演奏した後に「悪魔が再び封印された」場所でもあります。当時は暗い場所のピアノしか映りませんでしたが、4章で再び表示されたのでそういうことでしょう。

 

それ程までに深い経緯を持つこの場所が、1章では「未開の大地」と表現されています。開発されていない、人の手が入っていないと意味づけられる言葉ではありますが、ここでは人に知られていないという意味でも受け取れる気がします。

悪魔と呼ばれる何者かとの戦いがあり、悪魔が封印された後に3人の赤子が出現してそれぞれの場所に連れられた後、人々の記憶から遠ざかっていったのでしょう。

それはこの場所にある何らかの意思によるものか、初めから世間に知られずに終始した出来事だったのか…。

 

しかしそれで全てが終わったのではなく、3人がそれぞれの「閑やかなる日々」を過ごしている間にも、ある種不自然な静寂を保っていたのでした。

星屑に包まれて。もみの木は何も語らずに。

 

そして実際に4章で悪魔が覚醒したような表現が黒い霧を通してされているわけですが、楽曲の方のコメントには「其の時は来た」とあります。これがちょっと不思議で、覚醒できるようなきっかけがあったから「其の時」と言っているのだと思いますが、一体何だったのでしょうか?「まほろばの噂」に踊らされて心が乱れた隙のことを言っているのだとしたら、噂をばら撒いたのが悪魔という自分の解釈が崩れることにはなりますし、じゃあ誰が噂の始まりなのかって話にもなるし…。

これは私にはまだ分かりませんが、いずれにしても「NOSTALGIA」は人々の知る所となりました。なってしまったのでしょうか。

そしてこれは世界にとって望ましい事なのでしょうか。望ましくなくとも必要なことなのでしょうか。

 

以降のことは5章から描かれていますし、8章を見られれば更に理解が深まることと予想しています。

ということで、まだ8章を見られない状況の中、今回はストーリー前半における「NOSTALGIA」の様子を想像して遊んでみました。お付き合い頂いた方々、ありがとうございます!

 

8章は「還る場所」というタイトルになっていますが、まさに1章で生まれた場所に3人が同時に戻ってきた形になっています。還るという字を当てている辺りに、物理的な場所以上の深い帰還が描かれるのでしょうか。

思えば初代とOp.2でも、舞台となった場所は郷夢の世界と呼ばれ、記憶つまり心が還る場所とされていました。そこで主人公たちは暗闇に落ちて死と向き合ってでも心から求めていたものを見つけ出し、新しい未来へと飛び立って行きました。

過去作と少し毛色の違いが見えるOp.3ストーリーですが(基軸となる旋律も判明していないですし)、ノスタルジアというゲームである以上外せない土台は抑えているようで何だか安心します。

 

ともかく、早く8章が見たい!

願わくばゲーセンで、あの筐体で、間近に…!

 

3つの思いが、渦を巻く。

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【プレーガイド・収録楽曲紹介】:ノスしるべ

 

※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』のストーリー第7章「渦動」に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。

※なお、今までの記事との齟齬や矛盾が現れると思われますが、あくまで「記事が書かれた時点ではそう思っていた」と捉えていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今まで割とリリース当日に時間を割けたのですが、今回はちょっと調整に失敗して本日の投稿となりました。先に見に来て下さってた方々には何だか申し訳なかったです。ストーリーの更新に合わせて閲覧数がちょっと増えるんですよね。有難いことです。

 

 

 

前置きはそのへんにして。

世界の中心「NOSTALGIA」で遂に出会った3人が動き出します、第7章。

「渦動」という言葉は初めて見ましたが、文字通り渦を巻く動きを表すらしいです。最初、造語かと思いました。

この章は3つの段階で構成されていて、1つずつ楽曲とムービーを解禁する形式になっています。マップ上では、あのもみの木を背景にアイコンが並ぶようになっており、木の周囲で3者の思いが交錯し、渦を為す様子が連想できるのではないでしょうか。

 

 

さて、実際のムービーの内容に触れていきたいと思います。3つありますが場所の名前は全てNOSTALGIAなので、こちらの便宜上、番号を振っています。

 

【NOSTALGIA】①

コメント:困惑の渦

解禁楽曲:「Storm of Suspicion」

楽曲コメント:吹き荒ぶ雷嵐は大地を揺るがす

互いに顔を隠して出会った3人。

最初に動いたのは黄の国でした。側近らしき誰かが女王に助言を行います。財宝のイメージが映されたあたり、ここで間違いないと言っていると思われます。

それから周囲を見回すのですが、ここで赤の軍に財宝が吸い込まれる様子が描かれます。つまり、先に倒すべき敵がいると吹き込んだのでしょう。じゃあ青の方は?となるのですが、見るからに武力が無さそうなので、横槍を突かれても問題にならないと判断したのだと思います。

 

そこからは早く、颯爽と黄の子が号令をかけたかと思えば剣を持った人々が赤の国に襲い掛かりました。ちゃんと兵士がいたんですね。ちなみに、身軽な服装と前かがみな走り方をしていたので、ニンジャとかアサシンの類かもしれません。なるほど前王も暗殺できるわけだ(?)。

そして、王である赤の子も剣を構えて応戦に入る所でムービーは終わります。

 

応戦に入るのですが、その姿勢は引き気味で、財宝を狙って来たにしては意外にも消極的な印象がありました。到着するまでは何が居ようとも勝利して財宝を手にする覚悟が見て取れたのですが、ここへ来てまさに「困惑」という表現が当てはまる姿勢と表情に変わっているのです。

星屑に囲まれた空間に、もみの木だけが佇んでいるというこの場所に、もしかすると違和感を覚えていたのかも知れません。

戦争という雷嵐に地が揺らぐ中、「財宝など、ここには無いのではないか」と。

「ならば、この力は何の為にあるのか」と。

彼の正義が揺らぎます。

 

 

【NOSTALGIA】②

コメント:小さな勇気

解禁楽曲:「Forgery」

楽曲コメント:謂れなき罪咎に敢然と立ち向かう

一瞬にして蚊帳の外になった青の子。

目の前で繰り広げられる、そしておそらく初めて目の当たりにする戦争という命の奪い合いに、これまた一瞬にして圧倒されてしまいます。

身をかがめ、目をそらし、ともすると一刻も早く逃げ出したいぐらいの恐怖に翻弄される中、そばにいた青猫が彼をじっと見つめていました。

それに気づく青の子。

やがて顔は引き締まり、立ち上がり、遂には争いを止めるべく叫びながら割って入るのでした。

おそらく、同じ時を共にし続けてきた青猫に諭されたのでしょう。

「何を求めてここに来たのか?」と。

もちろん(私の解釈の中でですが)豊かな生活ができる新天地を求めて来てはいるのですが、そのきっかけになったのは、前王に見捨てられて取り残された悲しみでした。それでも厳しくも優しい大自然との交わりを通して、真に心を守る慈愛に目覚めたのも確かです。

 

そして今、その慈愛に相反する戦争が引き起こされています。新天地に夢中になっていた彼の心は、それよりも見失ってはならない慈愛を思い出したのでしょう。

巻き込まれたに過ぎない、謂れなき罪咎に向けて、きっと彼は敢然と叫んだのです。

「殺し合って得たものに喜びなどない」と。

 

そんな彼に。

黄の子が苛ついた睨みを返すのでした。

そしてすぐさま、彼女の兵を青の子にも差し向けます。圧倒的悪役の表情にむしろ笑いそうになったのですが、もはや彼女は完全に財宝に取りつかれてしまっているようです。側近に吹き込まれたのもあるのでしょうが、赤の子のような冷静さが見当たらないのは何だか過剰に見えて、しかし考えてみればそれもそのはず。

第3章「閑やかなる日々」の間にも、彼女は失われた自尊を満たすきっかけに出会えていなかったのです。人付き合いを上手にこなすだけの空しい日々の中で、部屋の壁に貼られていた地図を見て、今で言うNOSTALGIAの地に何かあるのではないか、と淡い期待を抱いただけなのでした。次章にてそれが財宝であると知らされ、成程それが手に入れば全てが思い通りになると思ってしまえば、執着も果てしないものになるでしょう。万が一失敗でもすれば自分の存在価値そのものが失われる位の危機感すら覚えていた可能性もあります。

 

かくして、青の子には迫る刃を防ぐ術などあるわけもなく、まさか…と思わせたところで、なんと赤の子が彼を守り、ムービーが終わります。

この時、赤の子には別の選択肢もあったでしょう。

勝利を狙うのであれば、青の子を犠牲にしつつ、そちらに意識が一部でも逸れている黄の子に攻撃しても良かったはずです。しかし、それをしませんでした。

財宝の存在を疑った故に攻める理由が無かったからなのか、争いを止めようとする青の子の小さな勇気に呼び起こされたからなのか。

「力とは、誰かを守る為にある」という正義が覚醒したのでした。

 

 

【NOSTALGIA】③

コメント:思いの矛先

解禁楽曲:「交響詩魔女狩り』」

楽曲コメント:反撃の切っ先は螺旋となって襲い掛かる

2対1。

どちらにも刃を向けた黄の子は、一気に分が悪くなりました。

しかし、悪役顔は止まりません。それどころか改めて財宝のイメージを身にまとい、何事か呟いています。

「邪魔をする者は全て排除する」といった類の決意でしょうか。

戦闘態勢の赤の子。その後ろで首を横に振る青の子。「こうなったらやるしかない」との呼びかけに「それでもダメだ」と反論しているようにも見えます。

 

そして立ち向かう、赤の軍と青の民。

シンボルとして描いているだけなのでしょうが、青の民が穀物を持ったまま動いているのが場に対してシュールに映ります。実際武力は持ち合わせてなかったでしょうから、とにかく黄の人々を取り押さえる気概で向かって行ったのかも知れませんね。

いずれにせよ2対1。結局押し切られたようで、2つの切っ先が黄の子に向かった所でムービーおよび第7章は終了となりました。

 

「渦動」と名付けられたこの章ですが、場を終始かき回していた彼女は、解禁曲のタイトル通り、悪魔に最も深く取りつかれた魔女のようにも見えてきます。なぜそこまで執着するのかは先に考察した通りですが、果たして彼女がそこから解き放たれる事はできるのでしょうか。その場合、何がきっかけになるのでしょうか。

 

そして。

物言わず佇むもみの木は、この後どう関わるのでしょうか。

 

 

 

といった所で、今回の考察は終わりです。

第4章からの流れを見てたら、全員ごちゃごちゃにぶつかり合って共倒れするのかとも思っていたのですが、意外に3分の2が正気だったという。

というか、本文では黄の子の本来の執着ゆえに書きませんでしたが、吹き込む側近が大概悪魔じみてるとは思います。噂を振りまいたのが悪魔だとして、彼女に的を絞った形になっているのでしょうか?

あと、各曲のジャケット絵には、それぞれに対応する鳥のシルエットが大きく描かれていて、やけに強調されていました。第1章以来ムービー中に出てきたことはないし、改めて何者なのでしょうか。

ストーリー自体はクライマックスに近いと思うのですが、まだまだ謎は多いです。

サントラが出る予定の3月1日までに、全て明かされるのかどうかも気になりますね。

 

ではでは、長文へのお付き合い、ありがとうございました!