『ノスタルジア』の落書き帳

音楽ゲーム『ノスタルジア』に関して考えていることを、ちまちま書いていきます。一応Twitterもあります→@crt14display

『ノスタルジアOp.2』闇路の旅①

※この記事は音楽ゲームノスタルジアOp.2」のストーリー内容に関して、個人的な考察を記録する内容となっております。攻略情報や今後の更新予定などにつきましては、「Bemani wiki 2nd」、詳細な曲紹介を含んだ情報なら「ノスしるべ」の閲覧をお勧めいたします。私も非常にお世話になっております。

 ※また、2019年10月21日現在公開されている内容に基づいた記事となっております。つまりネタバレ全開となりますので、現在進行中の方はご注意ください。

※解釈については以前までのストーリー考察記事の内容を基本的に踏襲しておりますが、依然として「これが正解だ」と主張するものではなく「この線ならある程度以上筋が通る」という観測に基づくものです。恐縮ですがご留意願います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 9月26日に追加された「記憶の終着駅」にて、辿り着いた花畑は枯れるどころか割れ砕けてしまい、完全な暗闇に包まれてしまいました。

 取り残された一行の前に現れた小さな光。そこには、母、先輩ロボ、ペリカンの先達の影、という三者が映し出されており、やがて一行から離れていきます。

 そして10月10日、足元もおぼつかなさそうな暗闇の旅が始まりました。早くて一か月は空くかと思っていたのに、恐ろしい更新速度ですね。

 ここで、猫すなわちプレイヤーは「誰と一緒に行くか」の選択を求められます。

 選ばなければならないということは、別々の道をそれぞれが歩みだしたとういことになるのでしょうか。それとも、あまりの暗さにいつの間にか離れてしまうということでしょうか。

 ともかく、選ばなければなりません。

 一度選ぶと、変えられません。

 選んだキャラクターのストーリーしか見ることができません。今回選ばなかった分については「時が満ちるのを待つ」必要があるとのことです。規定日に解禁されるのか、プレー回数を重ねる必要があるのか、他に複雑なギミックがあるのか…。どうやら定期的に一人分ずつ解禁されるようですね。

 ちなみにここの選択画面では、複数の線で構成された球体の中にいると同時に似たような球体の上に立っているかのような描かれ方をしています。球体と言うとローディング画面の一枚絵に二つの球体が描かれているのですが、内側にも別の球体があるのは左側です。稼働当初から一体これは何だと思わされてきましたが、つまりOp.2世界の全体図ということだったのでしょうか。

 

 さて。私が今回選択したのは、ロボでした。

 可愛いんですよね。無邪気で、健気で。これまでのストーリーも色々身につまされるものがあったし。あと、割り当てられた色が緑というのも高得点。

 選んだ後の進行方法は従来と同じで課題曲はなく、楽曲を演奏して規定数の星屑を獲得すると展開していきます。旅の記録ノートの代わりに、暗闇の中をさまようような足跡(光で表されます)が描かれています。画面下には簡潔に「旋律が導いてくれる」旨が書かれており、胸に秘めたあの旋律を信じるようにと促してくれます。

 暗くて霧がかっているためうっすらとしか分かりませんが、どうやら地面があるようです。全部割れ砕けたものと受け取っていましたが、世界を照らす光の要素が失われただけのようですね。それでも大変なことですが。

 

 星屑の数が満たされる、つまり闇路の果てに辿り着くと、モード選択画面に変化が現れます。ストーリー曲を奏で続けた課題曲の位置に、大きな扉。そこには「覚悟を持って開け」との一言が。後戻りのできない何かが待っているという不安が掻き立てられますが、ここまで来たら開くしかありません。

 開いた先には、新しい楽曲が。今回のロボルートにおける楽曲は、その名を「Last Twilight」。最後の残光とでも訳せましょうか。ルート最初の「Echoes of Oblivion」でも使用されていた電子音メロディをメインに、しかし様々なシンセ音で強い感情が彩られていました。

 曲コメントは「パルスの残響が伝えた 心という信号」。私たち人間は、それが無機物に宿ったある法則に従った信号に過ぎないとしても、そこから様々なものを感じ取る力を持っています。それは時を共にした記憶によるものであったり、別の記憶を呼び覚ますきっかけになったりするからでしょう。演奏後に展開されるストーリーにも、この点が繋がってきます。

 またイラストでは、「眠らない工場」の前に立つロボの上空に、眩いばかりの光球が輝いています。自身が本来は名前無き造られた存在に過ぎず、人に棄てられて死を迎えた真実を知ってなお失われないものがあるのでしょう。

 以下、ムービーの内容に触れていきます。

 

 辿り着いたのは、端。その向こうは今度こそ完全なる暗闇です。

 その上空に、別の空間が小さく開かれます。その向こうは見覚えのある景色。猫とロボが出会った「忘れられた廃棄場」です。しかし何やら色彩が強く見えます。似て非なる場所のようですが…。ともかくそれは遠く、辿り着く手段がありません。

 そこへ颯爽と飛んでくる、列車。そう、今まで様々な島を旅するにあたって旅人たちを運んでくれた、あの列車です。「最果ての研究所」の枠を越えて、死に向かうばかりの世界に現れたのです。

 先輩という乗客を乗せて。

 列車は猫とロボの前で停まり、ロボはすぐに先輩に飛びつきます。ここで猫はロボを引き留めようとしますが、それは叶わず、ロボは列車に乗り込みました。しかし猫は乗り込みません。ロボはその小さな手を伸ばして猫を招きますが、猫は首を横に振って、ここに残ることを伝えました。(ロボだと人のような表情が描かれない分、誤解してしまったようです…)

 

 この場面を解釈するとすれば、死への歩みの末に、記憶の旅で取り戻した旋律に支えられて「新しい未来」を見出だしましたが、そこに必要な最後の存在が先輩なのであり、ついに列車が先輩を連れてきてくれた、という流れでなのしょう。先輩はロボが捨てられた時点では既に力尽きていましたが、それでも「忘れられた廃棄場」で目覚めたのはロボが先輩に対して繋がりを感じていたからでしょうか。

 何故猫が乗らなかったかについては、ここでの全てはロボの時を、心を満たすために用意されたものであり、他の誰もそこに入ることはできなかったのでしょう。引き留める猫の仕草とロボに乗車されてからの戸惑いようは、ここで永いお別れになることを理解していたかのようです。つまり「自分はそっちに行ってはならない存在」であることを自覚していたのでしょう。理由として考えられるのは、ロボは棄てられてしまうまでの生涯の中で猫と直接は出会っていなかったためではないでしょうか。扉が求めた「覚悟」はこの別れの運命を指していたのでしょう。いずれにせよ、この点は他のキャラクターにも共通していそうなので、後日まとめて考察したいと思います。もしくは(あればですが)猫自身のエンディングで分かりそうな気がします。

 かくして列車は出発し、ロボは猫に元気よく手を振ります。深い感謝が見て取れますが、これ以降猫は映されません。ロボの旅の顛末が語られていきます。

 ロボの心の中に今までの旅の記憶が次々と通り過ぎ、列車はやがて色づいた廃棄場へと二人を降ろし、またどこかへと飛び去っていきました。

 列車はやがて色づいた廃棄場へと二人を乗せて行きました。(ロボ自身の回想はもっと後でした)

 

 目覚めたのは廃棄場。そこには先輩も一緒にいました。互いに再会を喜び合います。

 そこに駆け寄る誰か。

 「はじまりの場所」のムービーで共に駅のピアノに触れていた、あの少年です。おそらくロボと一緒に日々を過ごした持ち主と同一人物でしょう。走る彼の脳裏に、一度は棄てられてしまった友を取り戻そうと四苦八苦した様子が映されます。棄てられて、と表現したのは棄てられた場面で出て来た手が、少年自身とも親とも受け取れるからです。いずれにせよ、探しに来たということは少年の心に「大切な存在を切り離してしまった」という後悔があったのでしょう。どれ程の時が過ぎていたかは分かりませんが、「パルスの残響が伝えた 心という信号」が伝わったと言えそうです。

 少年は、ロボと生きて再会できたことを喜び、また、その場で手を振って見送ろうとする先輩に対しても手を伸ばし、一緒に行こうと招きます。先輩は深い感謝を少年に示すように、深々と頭を垂れながらその手を取りました。「ひざまづいて手を取り額に当てる」という最大級の感謝と敬意を示しました。今まで先輩先輩と呼んできましたが、実は廃棄場の主もしくは守護者と呼べる大きな存在だったのかも知れません。その手ぶりを見ていると「この子の事を、ぜひともよろしく頼むよ」と言っているような雰囲気を感じます。(この箇所、私は何をどう見間違えてたんでしょうか)

 そんな光景を見つめているロボの脳裏に、あの旅の記憶がふと蘇ってきます。今となってはそれこそ「あれは夢だったのだろうか」と考えさせられる、深い深い思い出。

 ロボは持ち主との日々を取り戻すばかりか、新たな家族も加わるという未来を歩み始めました。

 そんな彼らの向こう側を、列車が遠く飛び去って行きます。「大丈夫、夢なんかじゃなかったよ。夢のようだったけど」…そんな風に告げているようにも見えます。

 

 最後に、「episode 〇〇〇〇〇〇  fin.」といった感じで、キャラクターの名前が出てきます。前作ではゲーム中に名前が出てこなかったため、こうしてはっきりと表示された時は驚きました。せっかくなので未到達の方は楽しみにしていて下さい。別に奇をてらった名前ではありませんが。

 

 そんなわけで、ロボのストーリーはこれで完結したようです。

  ……命のノスタルジアとか、そういう方向性ではなかったですが、私の解釈に基づけばこのエンディングは、死の後に記憶と旋律によって到達できた魂のゴール、となってきます。死してなお求め続けた未来の姿が、この旅を通して実現されたと言えます。この辺も各キャラで共通していそうなので、まとめて考えた方が良さそうですね。実は結局ギリギリ死んでなくて、救いの未来が初めから用意されていたと見ることもできますし、再会できる世界線へと移動したというパラレルワールドな理解も可能なわけで、製作者側から詳細が語られることは…おそらくないのでしょうね。

 もしくは他のキャラクターのエンディングを見ていけば結びつく何かがあるのかも知れません。ネットを走査すればすぐに情報は集められそうですが、もうちょっと楽しみにしておこうかな、と思っています。

 

 と、いうか。

 猫ですよ!

 このノリでいくと、どのルートでも猫は闇の世界に置き去りにされるって事なんでしょうか?主人公なので最後の大トリにはなるんでしょうが、それにしても厳しい日々を過ごすことになるのかと思うと、何とも胸が苦しくなります。