『ノスタルジア』の落書き帳

音楽ゲーム『ノスタルジア』に関して考えていることを、ちまちま書いていきます。一応Twitterもあります→@crt14display

『ノスタルジアOp.2』の世界を振り返る

※この記事は音楽ゲームノスタルジアOp.2」のストーリー内容に関して、個人的な考察を記録する内容となっております。攻略情報や今後の更新予定などにつきましては、「Bemani wiki 2nd」、詳細な曲紹介を含んだ情報なら「ノスしるべ」の閲覧をお勧めいたします。私も非常にお世話になっております。

 

 ※この記事では、ストーリーを完結させた状態で改めてOp.2の世界を眺めてみて思ったことを記載しています。ネタバレ全開となっておりますので、現在進行中の方はご注意ください。また、解釈については「これが正解だ」と主張するものではなく「この線ならある程度以上筋が通る」という観測に基づくものです。恐縮ですがご留意願います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1.島選択画面が何故元通りになったのか?

 Op.2のストーリーがエンディングまで解禁されて、はや3週間が過ぎました。私の中では島選択画面の色彩やBGMが更に変化するのではないかという密かな期待を抱いておりましたが、結局の所は元通り(本当は一つだけ違うのですが、後述します)になっただけで、流石に期待しすぎたかと上がっていた肩を下ろしたものでした。

 しかし考えてみれば、ストーリーの目的は旅の舞台であった”郷夢の世界”(「Voca Nostalgia」の曲コメントより)自体をどうこうするものではなかったはずなので、「最果ての研究所」が役目を終えた後のモノクロ化以外の演出は何の意味もないのでしょう。むしろ役目を終えたのだから、エンディング後もモノクロのままであってもおかしくはありません。

 が、元に戻ったのです。もちろん、プレイヤーにクリアしたことを明示するためというシステム上の目的があるとは思いますが、この状態を一つのエピローグとして捉えることもできるのではないでしょうか。

 つまり、死してなお探し求めていたものを見出だし、更には死を越えて「新しい未来」へと辿り着いたニコ自身の旅の記憶として、クリア後の状態があると考えています。見た目は変わりませんが、それは今やあの旅の世界ではなく、思い出の世界なのでしょう。まさに記憶に基づいた郷夢の世界ならではだと思います。

 とまあ、おもむろに手掛かりの無い深読みをしましたが、きっかけというのがありまして。

 ストーリーをクリアして以降、元通りになった島選択画面を見るたびに、「あ~…みんな出て行っちゃったなぁ」とか「空っぽになっちゃったなぁ」という感慨で呼吸が深くなっちゃって、じゃあ今目の前にあるこの世界って、どういう状態なんだろう?と、この感慨の中身は何だろう?と考えたくなったのでした。結果、全てが完結した思い出の世界ということで今は納得しています。旅の最中は最新の島から動くことは後戻りに見えて遠慮がちでしたが、終わった後はアルバムをめくるかのように何処を選ぶにしても楽しく、優しく、懐かしい気持ちになれます。思えば他のゲームでも、クリア後のフリーモードって、独特の魅力がありますよね。

 

2.「記憶の終着駅」の変化について

 さて、後回しにしてきた一箇所だけの変化についてですが、既にご存知の方も多いでしょう。「記憶の終着駅」のリサイタルホールのことです。このステージ自体、ホールが変遷する特殊性がありました。最初は「花畑(コメント:果てしなく広がる花畑)」で、次いで「灰色の終着点(コメント:世界の最果て)」でした。そしてクリア後には「回憶の深淵」、コメントは「在るべき場所」に変わっています。てっきり花畑に戻っているのかと思っていたら、この変化です。背景が元の花畑と同じなだけに最初は見逃してしまいましたが、ともかくここにもストーリー上の意味があるのではないでしょうか。ちなみに回憶とは回想とほぼ同じ意味らしいのですが、回想よりもとことん記憶を振り返る印象がありますね。

 そもそも他の島と違って背景が画面ごと入れ替わる時点で、「記憶の終着駅」自体が特殊な場所であることが伝わってきます。旅人たち、またニコの母やピアノの願望によって構成された島々や研究所とは一線を画した、郷夢の世界に元々から存在する場所と言える気がして、何故かと言うと記憶の終着点が示すものは、生まれた瞬間もしくは死んだ瞬間だと思うからです。死がストーリーの軸の一つであると考えれば、後者でしょう。つまり「記憶の終着駅」は郷夢の世界の外、死後の状態への出口であると思われます。

 なので島選択画面では異次元への接続を思わせるブラックホール的な姿をしていたのでしょうし、入ってみた時の本来の姿は「灰色の終着点」なのでしょう。そこから永遠の眠りに落ちるか、「新しい未来」を見出だすかはそれぞれ次第。見出だせたり列車が走れたりする所がギリギリ郷夢の世界にあることを認識させてくれますし、そこまで列車を飛ばせるニコ母とピアノの力強さも感じられます。

 それがクリア後は再び花畑の姿となり、「回憶の深淵」へと変化しています。上述した思い出の世界に基づくとして、これはニコにとって最も大切な想いがある場所なのでしょう。母の愛情、旅人たちへの友情、死を越えて生きるという願い…ニコが今「新しい未来」を生きているのは、全てそれらから生まれた力によるものと言えます。なお、花畑に変わった点については、「Voca Nostalgia」を課題曲として演奏している時、画面の背景の空がモノクロから青空に変わっていく演出があった事が関係しているのでしょう。前述の力によって、ニコにとっての「記憶の終着駅」は死へ向かう「灰色の終着点」から「新しい未来」へと繋がる希望の場所へと変わったのです。友に囲まれた日々の中で、ふとしたきっかけでこの「回憶の深淵」に触れては、そっと静かに身を預けるのでしょう。これからも。

 そうなると最初の花畑は何だったのか、ということになるわけですが、ニコにとっては愛に辿り着くことが当初の最終目標だったので、その喜びに呼応して出現したものだったのではないでしょうか。それが何によるものかは想像するしかないようです。郷夢の世界の法則によるのか、「最果ての研究所」からの最後の贈り物だったのか。いずれにせよ、わざわざ死の闇へ向かわなくとも、この郷夢の世界で永遠に安らいでいられる場所にニコは一度は辿り着いたのでしょう。それも一つの終着点と言えます。しかし友との出会いが更なる願いへとニコを押し進めたのは以前の考察記事の通りです。もしかすると、最初の花畑の状態は「記憶の終着駅」の入り口の手前だったのかもしれませんね。

 

3.ローディング画面の球体の意味する所は?

 演奏画面を行き来する際に出て来る、もはや何度となく目にしたローディング画面に描かれていた、2つの球体。以前の記事でもちょっとだけ触れましたが、改めて考えてみたいと思います。

 と言っても、ニコ以外の各キャラクターのエンディング曲が解禁される際の扉に、思いっきり左側の球体が描かれていたので、2つの球体の左がストーリー世界、右がイベント世界を指しているのでしょう。ただ、球体の中で交差し合っている複数の黒い円が何を意味しているのか、どうしても分かりません。

 あとは左側の球体の中に更に小さな球体が入っていますが、これはおそらく「最果ての研究所」の能力によって出現した島々の領域を表しているのではないでしょうか。全体マップで言えば3つある内の下2つ分に相当しています。一方の外側の球体は、郷夢の世界全体を表しているように見えます。全体マップの一番上に当たる領域であり、その淵にきっと「記憶の終着駅」があり、更に外側へと皆は飛び立って行ったのでしょう。

 Op.2の稼働時からずっと謎めいた存在でしたが、結論としてはつまりOp.2そのものの全体図だったようです。当初は少年と少女それぞれが心に抱えている何かではないか、とか思考を巡らせていましたが、ノスタルジアで早とちりはするものではないですね。

 

 

 本記事については以上となります。

 長時間のお付き合い、ありがとうございました。

 ちなみに、この記事の作成時点でOp.2ではあらゆるイベントが12月2日(月)の早朝に終了するよう設定されているのが物凄く気がかりです。大がかりなイベントが用意されているのか、それとも新作に移行していくのか、楽しみで身震いしそうです。(と言っても、forteの時に似たようなことがあったものの結局終了時点では何も無かったような記憶がありますが…)

 

 などと書いたばかりなのに、公式TwitterでOp.3の発表が!

 というか、返信の感謝感激雨あられっぷりは何なんでしょう(笑)。あんなに新作が(歓喜よりも)感謝される音ゲーは初めて見ます。forteの時にリバイバルばかりで新しいイベントが急に止まった時期があって先行きを不安視されていたのは確かですが、それのせいでしょうかね。気持ちはワカる!

 稼働はOp.2のイベント終了の12月2日になるのでしょうか、それとも通常の更新日である木曜日の4日になるのでしょうか。楽しみで身震いを止められません。