『ノスタルジア』の落書き帳

音楽ゲーム『ノスタルジア』に関して考えていることを、ちまちま書いていきます。一応Twitterもあります→@crt14display

3つの思いが、渦を巻く。

※この記事は音楽ゲームノスタルジア』シリーズに関する感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

【更新情報・システム内容】:BEMANI wiki 2nd

【プレーガイド・収録楽曲紹介】:ノスしるべ

 

※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』のストーリー第7章「渦動」に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。

※なお、今までの記事との齟齬や矛盾が現れると思われますが、あくまで「記事が書かれた時点ではそう思っていた」と捉えていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今まで割とリリース当日に時間を割けたのですが、今回はちょっと調整に失敗して本日の投稿となりました。先に見に来て下さってた方々には何だか申し訳なかったです。ストーリーの更新に合わせて閲覧数がちょっと増えるんですよね。有難いことです。

 

 

 

前置きはそのへんにして。

世界の中心「NOSTALGIA」で遂に出会った3人が動き出します、第7章。

「渦動」という言葉は初めて見ましたが、文字通り渦を巻く動きを表すらしいです。最初、造語かと思いました。

この章は3つの段階で構成されていて、1つずつ楽曲とムービーを解禁する形式になっています。マップ上では、あのもみの木を背景にアイコンが並ぶようになっており、木の周囲で3者の思いが交錯し、渦を為す様子が連想できるのではないでしょうか。

 

 

さて、実際のムービーの内容に触れていきたいと思います。3つありますが場所の名前は全てNOSTALGIAなので、こちらの便宜上、番号を振っています。

 

【NOSTALGIA】①

コメント:困惑の渦

解禁楽曲:「Storm of Suspicion」

楽曲コメント:吹き荒ぶ雷嵐は大地を揺るがす

互いに顔を隠して出会った3人。

最初に動いたのは黄の国でした。側近らしき誰かが女王に助言を行います。財宝のイメージが映されたあたり、ここで間違いないと言っていると思われます。

それから周囲を見回すのですが、ここで赤の軍に財宝が吸い込まれる様子が描かれます。つまり、先に倒すべき敵がいると吹き込んだのでしょう。じゃあ青の方は?となるのですが、見るからに武力が無さそうなので、横槍を突かれても問題にならないと判断したのだと思います。

 

そこからは早く、颯爽と黄の子が号令をかけたかと思えば剣を持った人々が赤の国に襲い掛かりました。ちゃんと兵士がいたんですね。ちなみに、身軽な服装と前かがみな走り方をしていたので、ニンジャとかアサシンの類かもしれません。なるほど前王も暗殺できるわけだ(?)。

そして、王である赤の子も剣を構えて応戦に入る所でムービーは終わります。

 

応戦に入るのですが、その姿勢は引き気味で、財宝を狙って来たにしては意外にも消極的な印象がありました。到着するまでは何が居ようとも勝利して財宝を手にする覚悟が見て取れたのですが、ここへ来てまさに「困惑」という表現が当てはまる姿勢と表情に変わっているのです。

星屑に囲まれた空間に、もみの木だけが佇んでいるというこの場所に、もしかすると違和感を覚えていたのかも知れません。

戦争という雷嵐に地が揺らぐ中、「財宝など、ここには無いのではないか」と。

「ならば、この力は何の為にあるのか」と。

彼の正義が揺らぎます。

 

 

【NOSTALGIA】②

コメント:小さな勇気

解禁楽曲:「Forgery」

楽曲コメント:謂れなき罪咎に敢然と立ち向かう

一瞬にして蚊帳の外になった青の子。

目の前で繰り広げられる、そしておそらく初めて目の当たりにする戦争という命の奪い合いに、これまた一瞬にして圧倒されてしまいます。

身をかがめ、目をそらし、ともすると一刻も早く逃げ出したいぐらいの恐怖に翻弄される中、そばにいた青猫が彼をじっと見つめていました。

それに気づく青の子。

やがて顔は引き締まり、立ち上がり、遂には争いを止めるべく叫びながら割って入るのでした。

おそらく、同じ時を共にし続けてきた青猫に諭されたのでしょう。

「何を求めてここに来たのか?」と。

もちろん(私の解釈の中でですが)豊かな生活ができる新天地を求めて来てはいるのですが、そのきっかけになったのは、前王に見捨てられて取り残された悲しみでした。それでも厳しくも優しい大自然との交わりを通して、真に心を守る慈愛に目覚めたのも確かです。

 

そして今、その慈愛に相反する戦争が引き起こされています。新天地に夢中になっていた彼の心は、それよりも見失ってはならない慈愛を思い出したのでしょう。

巻き込まれたに過ぎない、謂れなき罪咎に向けて、きっと彼は敢然と叫んだのです。

「殺し合って得たものに喜びなどない」と。

 

そんな彼に。

黄の子が苛ついた睨みを返すのでした。

そしてすぐさま、彼女の兵を青の子にも差し向けます。圧倒的悪役の表情にむしろ笑いそうになったのですが、もはや彼女は完全に財宝に取りつかれてしまっているようです。側近に吹き込まれたのもあるのでしょうが、赤の子のような冷静さが見当たらないのは何だか過剰に見えて、しかし考えてみればそれもそのはず。

第3章「閑やかなる日々」の間にも、彼女は失われた自尊を満たすきっかけに出会えていなかったのです。人付き合いを上手にこなすだけの空しい日々の中で、部屋の壁に貼られていた地図を見て、今で言うNOSTALGIAの地に何かあるのではないか、と淡い期待を抱いただけなのでした。次章にてそれが財宝であると知らされ、成程それが手に入れば全てが思い通りになると思ってしまえば、執着も果てしないものになるでしょう。万が一失敗でもすれば自分の存在価値そのものが失われる位の危機感すら覚えていた可能性もあります。

 

かくして、青の子には迫る刃を防ぐ術などあるわけもなく、まさか…と思わせたところで、なんと赤の子が彼を守り、ムービーが終わります。

この時、赤の子には別の選択肢もあったでしょう。

勝利を狙うのであれば、青の子を犠牲にしつつ、そちらに意識が一部でも逸れている黄の子に攻撃しても良かったはずです。しかし、それをしませんでした。

財宝の存在を疑った故に攻める理由が無かったからなのか、争いを止めようとする青の子の小さな勇気に呼び起こされたからなのか。

「力とは、誰かを守る為にある」という正義が覚醒したのでした。

 

 

【NOSTALGIA】③

コメント:思いの矛先

解禁楽曲:「交響詩魔女狩り』」

楽曲コメント:反撃の切っ先は螺旋となって襲い掛かる

2対1。

どちらにも刃を向けた黄の子は、一気に分が悪くなりました。

しかし、悪役顔は止まりません。それどころか改めて財宝のイメージを身にまとい、何事か呟いています。

「邪魔をする者は全て排除する」といった類の決意でしょうか。

戦闘態勢の赤の子。その後ろで首を横に振る青の子。「こうなったらやるしかない」との呼びかけに「それでもダメだ」と反論しているようにも見えます。

 

そして立ち向かう、赤の軍と青の民。

シンボルとして描いているだけなのでしょうが、青の民が穀物を持ったまま動いているのが場に対してシュールに映ります。実際武力は持ち合わせてなかったでしょうから、とにかく黄の人々を取り押さえる気概で向かって行ったのかも知れませんね。

いずれにせよ2対1。結局押し切られたようで、2つの切っ先が黄の子に向かった所でムービーおよび第7章は終了となりました。

 

「渦動」と名付けられたこの章ですが、場を終始かき回していた彼女は、解禁曲のタイトル通り、悪魔に最も深く取りつかれた魔女のようにも見えてきます。なぜそこまで執着するのかは先に考察した通りですが、果たして彼女がそこから解き放たれる事はできるのでしょうか。その場合、何がきっかけになるのでしょうか。

 

そして。

物言わず佇むもみの木は、この後どう関わるのでしょうか。

 

 

 

といった所で、今回の考察は終わりです。

第4章からの流れを見てたら、全員ごちゃごちゃにぶつかり合って共倒れするのかとも思っていたのですが、意外に3分の2が正気だったという。

というか、本文では黄の子の本来の執着ゆえに書きませんでしたが、吹き込む側近が大概悪魔じみてるとは思います。噂を振りまいたのが悪魔だとして、彼女に的を絞った形になっているのでしょうか?

あと、各曲のジャケット絵には、それぞれに対応する鳥のシルエットが大きく描かれていて、やけに強調されていました。第1章以来ムービー中に出てきたことはないし、改めて何者なのでしょうか。

ストーリー自体はクライマックスに近いと思うのですが、まだまだ謎は多いです。

サントラが出る予定の3月1日までに、全て明かされるのかどうかも気になりますね。

 

ではでは、長文へのお付き合い、ありがとうございました!