『ノスタルジア』の落書き帳

音楽ゲーム『ノスタルジア』に関して考えていることを、ちまちま書いていきます。一応Twitterもあります→@crt14display

『ノスタルジアOp.3』各国からの想像

※この記事は音楽ゲームノスタルジアOp.3」についての感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

【更新情報・システム内容】:BEMANI wiki 2nd

【プレーガイド・収録楽曲紹介】:ノスしるべ

 

 

 

 かねてより予告されていた通り、12月2日(月)からOp.3が始まりました!改めてめでたいことです。とは言え、内容としては全体デザイン更新や新機能追加を除けばデフォルト収録曲が追加されたに留まっており、ノスタルジアの特徴の一つであるストーリーに関しては、初回プレー後に「猫がステージに現れ、閉じられた幕の隙間を通って向こう側に入っていく」短いムービーが流れただけでした。これまでの流れからすると非常に控えめな始まり方で、ストーリー上必要な演出なのか、プレイヤーの足並みを揃えさせたいのか、現時点では分かりません。

 

 一方、公式に「ストーリーでは3つの国が舞台となる」と言及されており、タイトル画面でその姿が確認できます。

・黄と城(街?)の国

・青と森と雪の国

・赤と花の国

また、ストーリー曲として紹介されている3つの曲には、冠を着けた人物のシルエットと鳥がそれぞれ描かれています。

・黄(曲名「Owls」):ツインテールの人物とフクロウ

・青(曲名「Un Happy Heart」):ボブカットの人物とツバメ

・赤(曲名「黒緋の白鳥座」):短髪の人物と白鳥

一般論に従うならば、人物は上から順に女性、女性・男性となるでしょうか。

 前述の通り、ストーリー上の演出はまだ何も始まっていないため推測も何もあったものではないのですが、各曲のコメントと上記の情報から想起されるキーワードみたいなものはあるのではないかと思います。

 曲コメントは以下の通り。

・黄:森の賢哲が語りだす 『未来はまもなくやってくる。さぁ目を凝らしてみて』

(賢哲=かしこくて、物事の道理に通じていること。また、そういう人や、そのさま)

・青:その優しさは天へと繋ぐ虹の橋

・赤:孤高の鴻鵠は 赤き闇に煌めき その時を待つ

(鴻鵠(こうこく)= 鴻(おおとり)や鵠(くぐい)などの大きな鳥。転じて、 大人物や英雄)

 

 まず、黄の国から浮かんだ言葉は「好奇心」でした。フクロウは割と様々な創作の中で賢い予言者やアドバイザーとして扱われるのではないかと思いますが、告げられた結果として心に指し示されるのは、未知なる領域への新たなる扉でしょう。たとえそれが災難を生むとしても、その先を見たくなる衝動が人間には備わっています。

 また、城や街は衣食住に関しては守られた状況にあるでしょう。冠を頂く人物ならば尚更です。反面、退屈に直面するのは半ば宿命のようなもので、そんな中、まだ見ぬ未来への扉を示されれば、動き出したくもなるのではないでしょうか。

 

 続いて、青の国から浮かんだ(というか拾った)のは「優しさ」です。ストーリー曲である「Un Happy Heart」の歌詞が「幸福な王子」という物語を思い出させるというツイートを複数見かけて、なるほどと思ったのが理由の一つだったりします。物語上では豪華に装飾された王子の像がその装飾を苦しむ人々に分け与えるべく、共感したツバメの助けを借りる流れが繰り返されますが、曲の歌詞にも「僕が瞳になろう、僕が君の翼になろう」という箇所があり、確かに両者の繋がりを思わせます。そんなツバメが雪の積もる日当たりの少なそうな寒い森の国に居るとすれば、寒い中でも心に持つ暖かさを分かち合いたいという「優しさ」が一つのキーワードになるのでは、と思った次第です。

 曲名にも注目点があり、「Un」と「Happy」の間にスペースが挟まっているのですが、Unをフランス語の「とある、ひとつの」に当たる言葉としているのではないか、という個人的な推測があります。つまり、「不幸(unhappy)に苦しむ人に寄り添い共感することのできる、ある幸い(un・happy)な心」という曲名になっているのではないか、と。

 

 最後に赤の国ついてですが、こちらは「誇り」という言葉が浮かびました。曲コメントに孤高という言葉がありましたが、白鳥もまた誰に依存せずとも泰然としていてそれが美しい、そんなイメージがあります周囲に咲き誇る花のような美しさが無くとも、その美しさを喜べる自分自身が嬉しい。水面下で必死な水掻きが必要なのだとしても、だからこそ自分を生きていられる喜びに繋がる。そんな、自分が自分でいられる「誇り」が赤の国のキーワードの一つではないかと感じます。

 曲名の「黒緋(くろあけ)」は、黒紫みをもたせた濃い緋色で黒みが強く、一般的には「深緋(こきあけ)」ともよばれる古くからある色名だそうです。高貴な身分を表す色の一つだったとか。孤高で気高い人格者を見る時、私たちはこのような色を添えて敬意を表するのでしょう。

 

 ということで、「好奇心」「優しさ」「誇り」の言葉がそれぞれの国から浮かんだわけですが、これらがストーリーに取り上げられるとしてどのように形になるのか、と言われると全く想像もつかないので、ここまで来て見当違いの話をしているような気もしています。

 しかし、これらの心の要素は、人が生きていることを喜ぶ理由として重要な位置を占めていると思いますので、相変わらずノスタルジアは深い所に食い込むメッセージ性を押し出す存在だと再認識させられます。

 

 ところで、ローディング画面では各国の人物が中央のピアノに向かって集まっていく絵図が描かれています。ピアノの周囲を鳥たちが飛んでいるので導き手になりそうな気がしますが、果たしてピアノを求めているのか、ピアノに呼ばれているのか。

 ストーリーの始まりが待ち遠しい限りです。