『ノスタルジア』の落書き帳

音楽ゲーム『ノスタルジア』に関して考えていることを、ちまちま書いていきます。一応Twitterもあります→@crt14display

『ノスタルジアOp.3』第1章をまとめてみました

※この記事は音楽ゲームノスタルジア』シリーズに関する感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

【更新情報・システム内容】:BEMANI wiki 2nd

【プレーガイド・収録楽曲紹介】:ノスしるべ

 

※また、こちらは『ノスタルジアOp.3』のストーリー第1章「3つの王国」に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ最後まで行き着いていない方はご注意ください。

 

 

 

 

 『ノスタルジアOp.3』のストーリーが2月6日に始まって一週間ですが、楽曲およびムービーの解禁だけなら早く達成できるようになったので、早速ながら第1章「3つの王国」について一通りのものを見ることができました。

 ムービーの3つ目までは、とある一場面を簡単に(しかし象徴的に)動く紙芝居の形式で表していたのですが、最後の4つ目で急に従来の彩りを取り戻した本格的なムービーとなったので驚かされてしまいました。その内容については後で振り返りましょう。

 

 さて、前回の記事で「黄の王国」については既に触れましたが、それぞれの王国の情報を改めて整理しながら感想や考察を述べてみたいと思います。記憶頼みの部分も多いため、誤りがあるかも知れないことを予めお詫びしておきます。

 

【黄の王国:砂上に浮かぶ綺羅びやかな国】

エピソード「流離人の行き交う広場」:きままな黄猫の放浪旅

対応曲「Eurasian Journey」:漂浪の民往き交うこの地にて 人々の人生は交差する

ムービー:広場を往来する人々と、その様子を眺める黄猫

  前回の記事でも書いた通り、黄の王国のモチーフはシルクロード上の交易が盛んな中継都市と考えられます。黄猫もまたぶらぶらと色々な場所をうろつき回りながら、人々の様子を眺めて楽しむのが日課のようです。

 人の多さと砂上という環境から、他の2つの国とは違って自然よりも人の要素が強調されているように感じられます。物品、金銭、そして情報が豊かに飛び交い、その実りとして国の綺羅びやかさがあるのでしょう。黄猫のストーリーが始まっていくとして、そのきっかけはこれらの中からひょっこりと転がり出て来るのかも知れません。

 

【青の王国:雪に閉ざされた光を知らない国】

エピソード「古びた教会」:栖の青猫は寒空を見つめる

対応曲「氷上の激情」:氷雪に閉ざされたこの地に 眠らない魂の咆哮は潜む

ムービー:閑散とした教会で、一心にステンドグラスを見上げる青猫

 エピソードコメントの 「栖」は「すみか」と読むそうで、青猫はいつからかは分かりませんが、この古い教会に住み着いているようです。「雪に閉ざされた」とありますが、タイトル画面などの描写から森の中であることも確かでしょう。森の雪国という環境に身を置いたことがないので想像するしかありませんが、手のかじかむ日々の中、しかし安定した日当たりは望めなさそうで、それ故の重さや辛さが心に根付いてしまいそうな気がします。今の所は国としての姿は描かれていませんが、人々はどうにか寒さをしのぎながら慎ましい日々を送っているのでしょう。

 一方で私事にはなりますが、人のいない冬の教会の寒さは体験として知っておりまして、堂内に溜め置かれたような冷気が外とは違った寒さを感じさせるんです。しかし冬の凛とした空気が微かな物音をも良く響かせ、窓から差し込む光は外にいる以上に眩く感じられるため、神聖さをより感じる側面もあります。

 なので青猫が教会に住んでいるのは、古びている故に人の出入りが殆どないという安全性の他にも何か感じ入るものがあったのではないでしょうか。曲コメントの「眠らない魂の咆哮」が青猫のものだとしたら、ステンドグラスから差し込むわずかな光に強い希望を見出だしているのかも知れません。

 そして、そこからの応答としての始まりがあるのかも知れません。

 

【赤の王国:活力に満ちた自然豊かな国】

 エピソード「陽のあたる階段路地」:赤猫は誇らしげにステップを踏む

対応曲「夕映の真鍮」:残日に染められた真鍮は 一際に紅く輝きこの地を照らす

ムービー:庭園の階段を機嫌よく歩き、中央のピアノでくつろぐ赤猫

  自然が適度に活発であること程の安心感は中々ないのではないでしょうか。黄の王国や青の王国はどちらも自然としては厳しい部類に入りますが、こちらは丁度いい塩梅に収まっていて、ともすれば何もしなくても日々の糧にありつける位の快適さが約束されていそうです。畳みかけるように対応曲が夕暮れの美しさをも伝えてきて、まさに文句なしの環境なのでしょう。

 ところで、昔読んだ小説の舞台がとある南国だったのですが「ぶっちゃけ働かなくても、その辺になってるバナナもいで食ってりゃ生きていけるからねぇ」と言う場面があったのを思い出します。自然ってありがてぇ。

 話を戻して、赤の王国の人々はきっとゴキゲンな赤猫のように、快適な日々を気楽に謳歌しているのでしょう。楽しむがままに働き、交わり、喜びを奏でて過ごしている様子が想像できます。というかピアノという『ノスタルジア』において意味深なものをさらりと出してくるんじゃないですよ。多分何者でもないでしょうけど。

 このように毎日が満たされた状態での、赤猫にとっての始まりとなるものは何なのか、こちらはちょっと想像がつきません。快適さの裏に何かがあったりするのでしょうか。

 

 

 以上のように、第1章ではそれぞれの国の様子が描かれましたが、それら全てを解禁した後に現れる新たなエピソードが。

 マップ上の表示は、Op.3稼働直前に発表されていた、幕の閉じたステージのイラスト。思い起こせば稼働直後のムービーは猫が幕の向こうにそっと入っていく場面。対応曲の演奏中には、開いた幕とその向こうにある3つの王国という演出。

 つまり、このエピソードをもってストーリーの本格的な開幕を告げられたことになります。稼働から2か月経って公開された内容が、よもやプロローグに等しいものだったという、えらく引っ張られた展開でした。

 さて、そんな第1章最終エピソードの内容がこちら。

エピソード「???」:未開の大地

対応曲「KETER」:その者は王冠を戴き国を導く

ムービー:

・重なり合うローディング画面の絵と全体マップ

・中央に集う鳥たちと、黄・青・赤の小さな光

・それぞれの色に応じた赤子と、それぞれを運ぶ鳥

・「NOSTALGIA」のタイトルコール

  記事の冒頭で言及しましたが、こちらのムービーは従来の雰囲気に沿った本格的なもので、それまでの動く紙芝居とのギャップには驚かされました。

 ムービーの最初ではローディング画面の絵が全体マップと重なり合っていくわけですが、最もその重なりが現れるのはやはり中央部分であり、ローディング画面の中央はピアノ、全体マップの中央は「NOSTALGIA」の文字となっています。他のキャラクターの存在感で薄れてしまう所のあるピアノですが、初代でもOp.2でもストーリーの中核を担う大切な存在でした。ピアノが奏でる旋律から始まり、ピアノが奏でる旋律に辿り着き、ノスタルジアとは何かを私たちに伝えてきた『ノスタルジア』。Op.3ではどのような形でその魅力を伝えてくれるのでしょうか。

  次に出て来るのは、鳥と、光と、赤子。最初のストーリー曲に描かれていた人物がさっぱり出てこなくなったのでどうしたのかと思いきや、赤子の姿での登場です(同一人物ですよね!?)。どうやらそれぞれの光と深い繋がりがあるようで、彼らを運んだ鳥たちもまた、ストーリーについて想像以上に深い関係者であろうことが伺えます。演奏後の星屑注入画面(?)では猫と共に漂っていた鳥たちですが、今後どのように動いていくのでしょうか。そもそも光とは何者なのか?

  曲の方に目を移すと、王冠という言葉が出てきています。「KETER」(ケテル)という曲名もまた王冠を示す言葉なのですが、宗教的な用語でもあり、この世界を構成する様々な概念の頂点であり根源にあたる位置にこの言葉を置いているのだそうです。言い換えれば「全てを創造し、また治める者」となるでしょうか。Op.3では、そんな絶対者の存在も関わってきそうな雰囲気です。しかし、今まで描かれてきた3人もそれぞれ王冠を着けているのですが、治める国に応じて王冠を授けられたという事なのでしょうか?

 だとすると、それは誰からなのでしょうか?

 

 多くの過去の謎をはらみながら、私たちは未知なる未来を見て行くことになりそうです。

 

 

 と、締めくくったようなことを書いたのですが。改めて触れておかなければならない要素が「the 9th KAC」を見た方々にはあるのではないでしょうか!

 ということで、以下はKACを見た方に向けた内容になります。見てなかったよ、という方はYouTubeに最終決勝のアーカイブ動画があるので、是非見に行ってください!

 

 

 

 

 

 

 そう。最終決勝の最後の課題曲。

 その名は「交響詩『悪魔の誕生』」でした。以前の記事でも書きましたが、KACの大会中にストーリーの第4の存在が登場するとは思いもしませんでした。どのような形で悪魔なのかはもちろん分かりませんが、ローディング画面中央のピアノが不穏な色に染められたあたり、ストーリーの中核に思いっきり食い込んでいる事は間違いないでしょう。

 一方、マップの中央は「未開の大地」。しかし、そこで明かされたのは「KETER」すなわち絶対者の存在。そしてKACで示された悪魔。

 果たして、そこは初めから未開だったのでしょうか?もしかすると悪魔が絡む出来事によって”未開になった大地”なのかも知れません。

 KACでの壮絶な演奏後に再び現れたローディング画面では、ピアノを囲む3つの星が輝きました。そして「悪魔は再び眠りについた」とのメッセージも(こちらの「再び」は第4の壁を越えて顔を出したら叩き返されたという意味でしょうが、ストーリー上ではどうなのでしょうね)。ということは、あのムービーで現れた3つの光は、悪魔を抑え込む役割を担っていたりするのでしょうか。

 

 Op.3では3つの国が舞台となりますが、どうやらそれらを更に取り囲む世界全体の歴史もまた、ストーリーを大きく彩ってくれそうです。3つの光にしても、役割は想像できてもその起源はさっぱり分かりませんし、続きはエイプリルフールの後ぐらいでの解禁でしょうか。

 楽しみです。