『ノスタルジア』の落書き帳

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『ノスタルジアOp.3』ストーリー第2章解禁!

※この記事は音楽ゲームノスタルジア』シリーズに関する感想や考察が記載されております。各種情報に関してましては、以下のサイトの閲覧をお勧めいたします。

【更新情報・システム内容】:BEMANI wiki 2nd

【プレーガイド・収録楽曲紹介】:ノスしるべ

 

※また、ここでは『ノスタルジアOp.3』のストーリー第2章「王様の誕生日」に関するネタバレが普通に含まれておりますので、まだ見ていない部分がある方はご注意ください。

※なお、今までの記事との齟齬や矛盾が現れると思われますが、あくまで「記事が書かれた時点ではそう思っていた」と捉えていただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 前章「3つの王国」が解禁されて、早二ヶ月。Op.2でもだいたい二ヶ月ごとにストーリーが更新されていましたので、そろそろかな?と思っていましたが期待通りで嬉しいものです。はい、そそくさとプレーしてまいりました。ムービーだけなら少ないプレー回数で見ることができるので本当に助かりますね。

 さて、前章ではそれぞれの国の雰囲気とそこで過ごす猫たちが描かれていましたが、今回はいよいよ王子・王女との出会いを見ることができます。そして章のタイトルは「王様の誕生日」。王子だ王女だと言っていた彼らが、公式サイトなどで公開された解禁曲のイラストにて、玉座についています(それぞれの格好で)。

 どうやら幼くして王位に就いたようですが、その経緯がムービーにて語られていましたので、それぞれ触れていきたいと思います。

 まず、共通点として、

1.「未開の大地」で現れた赤子が鳥によって国に運ばれ、王と民に敬意を持って迎え入れられる

2.王宮で赤子は幼子に育ち、その過程で猫と出会う

3.やがて王が失われ、彼らに王権が受け継がれる

という流れがあります。1は鳥の違い以外は共通しているので、触れて行くのは2と3に関してになります。1に関して補足があるとすれば、王位を継いで国を治める者が来るという伝承が共通して伝わっていたのでしょう。

 

【黄の王国】

エピソード「黄の王宮」:受け継がれる自尊

 国に運ばれ、初めて開いたその瞳はぱっちりと快活で、とても可愛らしいものです。彼女は髪の伸びきらない時期からツインテールを成し、元気な性格が伺えます。ピアノを弾く場面もありますが、育ちゆえに教養の一環なのかも知れません。

 黄猫との出会いは、(おそらく)いつものように遊んでいる時に、ふと振り向いた先にいたことで果たされます。最初はきょとんとしていた彼女も、すぐににっこりと微笑んで、ふたりはすぐ友達になったようです。

 そして場面は上記の3の流れに移ります。王女の前にひざまづき、涙を流しながら何かを伝えている家臣たち、そして誰かの手から王冠を授かる王女。おそらく想定外の経緯で王が亡くなってしまい、伝承に従って彼女に王権が受け継がれたのでしょう。

 何もおかしくはないように見えますが、玉座に着いた彼女の表情はこれでもかとばかりに不機嫌です。まだまだ遊んでいたかったのでしょうか?

 

 この不機嫌の理由について推測の材料になる要素が、演奏後の星屑を加算する画面にあります。王宮のある一室の窓に、入れ替わり立ち代わりする人々のシルエットが映っており、その様子を黄猫が窓の外から眺めている、というものです。

 王宮とは国の未来を左右するキーパーソンが多く勤めている場所です。そして、たとえ伝承通りに次代の王が与えられたところで、目下の国の動きがすぐにガラリと変わるわけもありません。

 そう、窓の向こうでは様々な、”秘密の話し合い”が行われていたのでしょう。文字通りに様々な人々が行き交う黄の国です。それぞれが望む国の姿もまた様々であろうことは想像に易いことです。

 そして、それを叶えるにあたり、自らが王位に就く必要などないわけです。

 現王を”退けた”後、まだ統治について右も左も分からない幼子を伝承通りに王位に置き、実際の統治は自らがサポートという体で行えばよいのです。

 かくして王は失われ、ある人々に都合の良い幼き女王様が誕生した…という流れなのではないかと推測します。

 

 なので、彼女が不機嫌な顔をしているのは、おそらく事の真実を知っているからなのでしょう。子どもは得てして気まぐれなもので、大人たちが「こんな所には来ないだろう」と思っている場所に、脈絡なく現れたりします。活発な彼女なら尚更でしょう。

 偶然耳にしてしまった”秘密の話し合い”…その時はまだ意味が分からなかったが、王の死を経て理解に至った頃には、自分は既に操り人形としての女王にでっち上げられてしまっていた…となれば、確かに不機嫌にもなるでしょう。

 

 別の視点で真実を見ていた黄猫が、玉座の彼女の膝の上で「ぼくは、君が他の何者でもない、君であると信じているよ」と彼女の自尊を支えているようにも見えます。

 

 

【青の王国】

エピソード「青の王宮」:受け継がれる慈愛

 3人の中で性別が判別しにくいシルエットをしていましたが、解禁曲「蒼氷のフラグメント」のコメントにて少年との言葉があったので、どうやら男の子のようです。

  初めて開いた目はそれでもぼんやりとしていて、優しくも繊細そうな印象があります。

 そんな彼ですが、その育ちは寂しいものだったようで、本を片手に王のもとへ行くも、その王は穀物を手にする家臣たちと共にそそくさと立ち去ってしまう場面がムービーで描かれています。元々気候が厳しい国で、運営するために様々な制約と付き合わなければならないがゆえに、忙しかったのでしょうか。

 

 しかし、更なる展開がその後にあります。

 ある日、がらんどうの王宮に、王子は取り残されてしまいます。どうすればいいか分からず、ピアノの下でうずくまる王子。王や王宮の人々との接点の一つだったのでしょうか。

 そこに現れ、体を寄せて慰める青猫。第1章では古びた教会で天を仰いでいた青猫ですが、今回の星屑を入れる画面では既にピアノの下で佇んでいます。何かのメッセージを得て、王子のもとに向かっていたのかも知れません。

 

 かくして誰もいない王宮で、彼は猫とふたりぼっちの王様となりました。王冠を着けているということは、それが残されていたということでしょう。

 そう、王冠が残されていたということと、先述した立ち去る姿を繋げると、つまり前の王は国を見限って逃げ出してしまったものと推測できます。しかも少なかったであろう物資の備蓄も一緒に。

 イラストにおける彼が玉座にちゃんと座っていない姿は、理不尽に背負わされた孤独ゆえに王権を拒絶しているという事でしょうか。玉座の中央に青猫がいる辺り、「こんなのいらないから君にあげるよ」と彼が譲ろうとしているのかも知れませんね。

 

 しかし青猫はそんな彼に寄り添いながら「そんなこと言わないで。ぼくは、君がどうなっても一緒にいてあげるから」と慈愛を示しているようにも見えます。

 

 

 

 【赤の王国】

エピソード「赤の王宮」:受け継がれる正義

 初めて目を開いた赤子の表情は既に引き締まっており、意思の強さが見て取れます。黄の王女に似て活発に育ち、ピアノを弾く姿も描かれています。

 その次で、彼が庭で剣術の稽古をしている姿が現れます。軍事力を象徴的に押し出していると思われますが、自然豊かな国ゆえに奪おうとする敵対勢力が多い背景があるのでしょうか。

 そして、そこで赤猫と出会います。赤猫は星屑を入れる画面では、蝶たちと戯れながらやけにフィーリングッドな様子だったので、王子と出会ったのはただの偶然だったかも知れません。今までに出た他のキャラクターと比べて「ホントにただ遊んでるだけじゃねえか」と個人的には思ってしまうのですが、これはこれで後に必要なものを赤猫は得ているのでしょうね。

 

 その後、軍事遠征に出発する王と兵士たちを見送る王子、結果として血濡れた王冠だけが彼のもとに戻ってくるという場面が描かれます。どんなに豊かな国であっても、戦争となれば何が起こるか分からないものですが、おそらくまだその分からなさを分かっていなかったであろう彼にとっては衝撃だったことでしょう。

 そのまま彼は王権を受け継ぎ、玉座でしっかりと握り締めた剣に強い感情を注ぎ込むかのごとく、それを睨み続けるのでした。

 

 一方で、彼の横に座る赤猫が「そんなに気張るなよ。激情に振り回されるなんざ、強くて優雅なこの国らしくねーぜ」と赤猫なりに正義を説いているように見えます。

 

 

 

 以上、3つの国それぞれに新たな王が誕生した「王様の誕生日」に関するムービーの大まかな内容とそれに対する考察を記してみました。

 それぞれが予想しなかった形で王権を継ぐことになった第2章でしたが、3人が王となる宿命の背景には、おそらくあの封印があるのでしょう。しかし、それぞれに求められているのであろう自尊、慈愛、正義を見失ったまま王になってしまった現状では、今後への悪影響は避けられないのではないでしょうか。

 これからストーリーはどう展開していくのか、猫たちはどのように彼女と彼らの歩みを支えていくのか。

 相変わらず目が離せません。